イラン軍司令官、ホルムズ海峡の閉鎖を示唆
イランの陸軍参謀長は、「これ以上敵対的な行動を取る場合、我が国はホルムズ海峡の閉鎖をすることもあり得る。」と語った。
ムハンマド・バケリ少将は先月28日にテヘランで会見し、
「ホルムズ海峡が世界の石油流通の要所であることは理解している。イランはあえて海峡を封鎖するつもりはないが、制裁措置によって我が国は石油が輸出できないのに、他国の石油がホルムズ海峡を通って流通することは認められない。」
「現在、海峡を通行する全ての商船や軍艦はイスラム革命防衛隊海軍の職務質問に答えなければならない。米国海軍の軍艦さえこれに応じており、問題は起こっていない。」
ホルムズ海峡を通行する航路は、その多くがオマーンの領海内にある。
バケリ少将の発言に対して、米中央軍のケネス・マッケンジー参謀長は、ペルシャ湾地域でイランが危険な行動を取る場合は、「必要な措置を取る準備」ができていると警告した。
同少将は、米国は湾岸諸国と共同してイランに対抗する方針に変わりはないとし、
「我々にはイランが危険な行動を起こすことを抑止する力があると信じている。我々はイランの行動に対して有効な対策を取ることができるだろう。」
と述べた。
アメリカ政府はトランプ大統領が就任した2017年1月以来、政治的・経済的な圧力を段階的にかけ続けている。
2018年にはイランとの核合意を破棄し、それまで緩和されていた制裁を強化した。
トランプ大統領は破棄の理由について、イランが核合意の精神を尊重せずに核開発を継続し、テロリストに資金を供与して地域の安定を乱しているためとしたが、イランはこれを否定している。
トランプ政権は各国にイラン産原油の禁輸を要求し、イランの石油の輸出をゼロにする措置をとった。これはイランの経済や通貨に大打撃となった。
今年4月には、イランの革命防衛隊を「国際テロ組織」と認定している。
米政府は引き続きイランへの制裁圧力をかけ続けることにより、「テロリストを支援するコストが高くつく」ことを思い知らせる方針だ。