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モザンビーク・ドリルとは

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敵の身体の中央に2発、次いで頭部に1発撃ち込む「モザンビーク・ドリル」。今では基本中の基本として誰もが練習しているこのドリルは数十年前、ジェフ・クーパーの教え子であるマイク・ロソーがアフリカのモザンビークで経験したガンファイトが由来だ。モザンビーク・ドリルについてジェフ・クーパーは次のように語っている。

モザンビーク・ドリルを取り入れたのは、当時モザンビークにいた教え子のマイクから現地での経験談を聞いたからだ。当時のモザンビークは荒廃して危険な国だった。彼はラウレンコ・マルケス空港周辺で起こった戦闘に巻き込まれた。角を曲がると、そこにはAK47を持ったテロリストがいた。テロリストは彼を見つけるとこちらに近づいてきた。距離は約10歩。マイクは腕のいいシューターで、携行していたP35拳銃を構えて2発撃ち、左右の鎖骨に命中させた。ところがテロリストは倒れることなく、そのまま近づいてくる。この時マイクはとっさに頭部を撃ち抜こうと判断し、射撃したが、焦ってしまったために弾は脊椎と鎖骨の間に命中した。幸い戦闘はそこで終わった。」

「このことを分析してみた結果、私はガンファイターたる者は敵の身体の中央にできるだけ早く2発撃ち込み、効果がなければすぐに別の場所を狙って撃てる体勢をとるように訓練しなければと思ったのだ。中央に素早く2発撃ち込むことは難しいことではなく、確実性が高い。通常の弾を使っていて、かつ敵が防弾チョッキを着ていなければ、大抵はその2発で敵は戦闘不能になる。」

「しかしながら、単に『中央に2発、頭部に1発』という練習をすればいいというわけではない。確実に頭部に1発撃ち込むことができるようになるには、確実に中央に2発撃ち込むよりも難しい。なぜなら射撃のペースが変わるからだ。最初の2発はできるだけ早く撃ち込むが、そのあと一旦敵の様子をみて、じっくりと正確に狙わなければならない。簡単なことではない。初心者は3発とも同じペースで射撃することが多い。最初の2発が遅かったり、最後の1発が早すぎたりする。ペースを変えて射撃するには集中力と慣れが必要で、それには練習するしかない。」