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米陸軍が新型火砲開発に着手 中露に対抗

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米陸軍は120mm迫撃砲に関する3つのプロジェクトに着手する。
2021年度採用を予定されているのは、まず将来型間接照準火砲(Fiture Indirect Fire Turret,FIFT)というストライカ歩兵戦闘車に搭載可能な120mm迫撃砲であり、次いでM113装甲人員輸送車に代わる多目的装甲輸送車、そしてM1エイブラムズ戦車とM2ブラッドレー歩兵戦闘車に代わる次世代戦闘車両である。
陸軍にはすでにストライカー歩兵大隊が装備するM112ストライカーMCがあり、120mm迫撃砲を搭載している。しかし今回陸軍が要求しているのは、載せ替えることによって81mmでも60mm迫撃砲でも射撃ができる機能的なM1129とは違い、120mm迫撃砲を使用してより強力な砲弾をより遠くまで撃ち込むことができる火砲である。つまり従来のいわゆる自走迫撃砲よりも格段に高性能なものだ。新型の火砲は、LMAMSのようなドローン兵器やミサイルを発射できるものになる。
同火砲の諸元としては、最大射程8000m~20000m、最短の射程は間接照準で200m、直接照準で50m、発射速度は最大で1分間に24発(2分間)。
また射撃の自動化も高度に追求され、分隊員の負担を軽減しながら高い発射速度を維持することを可能にするどころか、一個分隊の隊員の人数を削減することも可能になる。
これと並行して、陸軍は遠隔操作式の120mmまたは81mm迫撃砲の開発を検討している。無人の砲塔に設置する遠隔操作式迫撃砲は、敵の射弾下にあっても迅速に正確な射撃を実施でき、最低でも20発を連続して発射できるものが開発目標とされている。120mm仕様の最小射程及び最大射程距離はFIFTと同等を予定しており、81mm仕様では6000mから15000mである。
最後に120mm迫撃砲射程延伸システムについて紹介する。牽引式120mm迫撃砲M120A1の代替火砲として開発されている。陸軍は重量400ポンド程度と軽量で、軽装甲の車両に搭載または牽引され、人力でも運搬可能な火砲を想定している。400ポンド程度という重量は、歩兵の4名分隊が一人100ポンドずつの負荷を負うと想定していることが根拠になっている。
同システムの射程は9kmであり、砲発射時の爆風や発射音による隊員の耳や身体へのダメージを最小限に抑えたものになる。
ロシアでは伝統的に迫撃砲を重用している。旧ソビエト軍では牽引式のM1938及びM1943 120mm重迫撃砲を大量に装備し安価で強力な火力を発揮して、第二次世界大戦を戦った。現在のロシア軍も2S12牽引式120mm迫撃砲を装備しているが、アメリカ陸軍の迫撃砲運用構想もこれに対抗したものと言えるだろう。