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米海兵隊「市街地戦闘指揮官課程(ULC)」 女性隊員初の修了者は日系人?

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海兵隊の女性ライフルマンがまた新たな活躍の場を勝ち取った。一人の女性海兵隊員が初めて市街地戦闘指揮官課程(Urban Leaders Course)を修了したのだ。

第4海兵連隊第2大隊所属のオータム・タニグチ兵長は5月3日、市街地戦闘におけるチームリーダーを養成する3週間にわたる教育を修了した。

タニグチ兵長は、
「厳しい教育でした。簡単には行かないことは分かっていましたが、厳しい訓練であったからこそ、自分の限界に挑戦することができました。」
と話す。

今回の市街地戦闘指揮官課程は、カリフォルニア州キャンプ・ペンドルトンの第1海兵師団が実施したものだ。内容はルーム・クリアリング、至近距離射撃(CQB)及び戦闘射撃などで、学生は実弾を用いた実戦的な訓練を通じて、市街地戦闘におけるチームリーダーとしての指揮を習得する。

海兵隊の歩兵部隊に女性隊員が配属されるようになっても、同課程の教育内容や到達基準は一切変更されておらず、海兵隊広報は「性別に関わらず、この課程を修了した者は任務を完遂できる能力を有する。」としている。

タニグチ兵長がこの課程を修了したことよって、海兵隊の女性隊員は強く勇気づけられたはずだと、同課程主任教官のケン・リック2等軍曹は言う。

「女性隊員は男性隊員に受け入れてもらおうとする必要はなく、男性と同じようにできることを明確に示すことが大事なのです。」

タニグチ兵長は、学生が全員卒業できるように同期に勉強を教えるなどして、教官たちからの信頼も厚かったという。教官のリック軍曹によると、学生たちは市街地戦闘の戦術や戦闘の様相などにばかり関心が高くなりがちであるが、この課程で重要なことは、学生が創造的な思考を習得することだという。

「こうすれば任務を完遂できる、といったノウハウを教えることはありません。我々は海兵隊員です。いかなる任務も何とかして完遂するのが海兵隊員なのです。」

タニグチ兵長は女性の海兵隊員初の修了者となったにも関わらず、自分が他の女性隊員にさきがけているとは思っていないという。なぜなら、彼女が同課程に志願したのは「特別なことではなかった。」からだ。

「私はただ歩兵部隊の一員になりたいという一心で参加しただけですから。」

サウジがドローン攻撃でイランを非難 アメリカに空爆を要求

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サウジアラビアは木曜日、ドローン攻撃によってサウジの重要なパイプラインを破壊したイエメンの反政府勢力をイランが支援しているとして非難した。サウジの政府系の新聞は、「アメリカがイランを空爆し、イランの孤立化をさらに強化すべきだ」と論評した。

イランが支援しているとされる武装勢力に対抗するため、米国がペルシャ湾岸地域に海軍艦艇や爆撃機を派遣して以来、地域の緊張は広がりをみせている。日曜日にはアラブ首長国連邦UAE)の沿岸地域で、石油タンカー4隻が攻撃を受け、火曜日にはドローン攻撃によってサウジのパイプラインが破壊された。攻撃を行ったのは、イランの支援を受けたイスラム教フーシ派の武装勢力とされている。

この危機的状況の原因は、昨年アメリカのトランプ大統領が、2015年のイランとの各合意から離脱し、厳しい経済制裁を再開してイラン経済を苦しめているためだ。

サウジアラビアの副国防大臣カリド・ビン・サルマン王子はツイッターを投稿して、ドローン攻撃はサウジ・アラムコ社のポンプ施設2基に対して行われたとして、

「彼ら過激派は、イランの覇権主義を宣伝するための道具にしか過ぎない。」

とつぶやいた。

サウジの政府系新聞はさらに厳しい論調の社説を発表し、「アメリカがイランへ空爆し、報復を行うべきだ」と主張している。
イランは、フーシ派に弾道ミサイル技術や武器を供給しているとしてアメリカや国連から非難を浴びているが、イランはこれを否定している。

アラブ・ニュース紙は社説で、「米国の制裁が効いていないことは明らかだ」として、攻撃目標を限定することなく「徹底的に攻撃しなければならない。」と述べている。

サウジ主導の連合軍は、イエメン・サヌアのフーシ派武装組織に対して空爆を実施した。イエメンの保健省によれば、子供4人を含む6人が死亡、40人以上が負傷したという。

同連合軍は2015年からフーシ派との戦闘を続けており、毎日のように空爆が行われている。今回のサウジのパイプラインを破壊したドローン攻撃は、フーシ派にとってこれまでで最も大きな戦果となった。

日本を訪問しているイランのザイフ外相は木曜日、イランには米国の「受け入れがたい」制裁に対抗する権利があるとしながらも、「できる限りの自制」をしている、と語った。

またイランは最近、核合意が7月7日までに妥結しなければ、ウランの濃縮を再開すると主張している。その結果、イランは核兵器を開発する可能性が非常に高い。

アメリカの国務省は今週、滞在する必要性の低い職員に対して、イラクから出国するよう命令を出した。またドイツとオランダはイラン情勢の緊張の高まりを理由に、イラクに対する軍事援助活動を中止している。

外交職員の出国は戦時にしばしば行われることであるが、今回なぜ米政府が出国命令を出したかのか、理由は明らかになっていない。イラクには有力な親イラン武装勢力があるが、米軍も5000名程度が駐屯している。米中央軍は厳戒態勢を取っている。

フランス特殊部隊人質救出作戦続報 ブルキナ・ファソ 「非常に複雑な作戦だった」

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フランス軍が金曜日に発表したところによると、アフリカのブルキナ・ファソにおいて人質救出作戦を実施、武装集団に拘束されていたフランス人2人を含む4人を無事に救出した。作戦は成功したが、特殊部隊員2名が戦死した。

フランス軍は4日間に渡ってブルキナ・ファソ東部で武装集団を追跡、救出作戦は夜間に実施された。

フランス陸軍のフランソワ・ルコントル参謀長が会見したところによると、当初は武装集団は人質を連れて隣国マリに向かって北西に移動したものとされていたが、ブルキナ・ファソ国内でメンバー6名が潜伏している情報を得て、5月7日に特殊部隊の作戦開始が決定されたという。

この武装集団はアフリカの複数の国を移動して活動していたため、フランス軍武装集団を捉え、介入する機会を注意深く窺っていた。これにはフランス軍のみならず、アメリカ軍のドローン(無人機)による情報収集が威力を発揮したという。

作戦には戦闘衛生の専門家チームがパリから派遣され、救出作戦の開始に備えた。

同参謀長は、
「非常に複雑かつ困難な作戦だった。」
と述べた。

フランス軍の首脳部は、武装集団が木曜日の夜にブルキナ・ファソ北部に留まっている間に救出しなければ、人質たちがマリに連行されイスラム過激派組織に引き渡されてしまうと判断した。

パーリ国防大臣は、
ブルキナ・ファソ国内で人質を救出するには、あの時しかなかった。人質がマリに連れて行かれてしまったら、救出作戦の実施は非常に困難になるからだ。」
「作戦は直ちに実施しなければならなかった。判断は正しかったと信じている。」
と語った。

フランスのマクロン大統領は、当時ヨーロッパ首脳との会合のためルーマニアに滞在していたが、救出作戦実施の報告を受けるとすぐに作戦を許可した。ブルキナ・ファソとフランスは最近、軍事協力について合意したばかりであった。

ゴーサインが出ると、約20名からなるフランス軍特殊部隊の人質救出チームは、武装集団のキャンプから離れた地点にヘリコプターから夜間降下を開始した。
チームは闇に紛れて隠密に敵のキャンプに接近、敵の警戒員をやり過ごし、人質が拘束されていると思われる4つの掩蔽壕まで数メートルの位置まで前進した。

「特殊部隊員達は、一発も撃つことなく掩蔽壕の中へ入っていった。」
と参謀長は話す。
高度な訓練を積んだ特殊部隊員でさえ、人質を無傷で救出することは非常に困難であるという。

この時、敵の射撃を受けてフランス軍特殊部隊員2名が戦死した。
武装集団の6名のうち4名を射殺、2名が逃走した。

救出に際して、予想外の事実が判明した。人質はフランス人男性2人だけではなかったのだ。そこにはアメリカ人と韓国人のいずれも女性2人も拘束されていたのだった。

パーリ国防相は、
「その2人がいることは全く想定していなかった。2人は28日間も拘束されていたことになる。」
と述べ、フランスは2人についてわずかながらの情報を得ていたことを明らかにし、
「米国及び韓国に連絡をとったところ、両国とも2人がブルキナ・ファソにいることは知らなかったようだ。」
と述べた。
救出された人質4人は、現在安全な場所で保護されているという。

防相ベナンブルキナ・ファソに対してこの「複雑な作戦」に対する支援を感謝するとともに、米国の情報協力にも感謝の意を示した。

人質となったフランス人男性2人は、2週間の予定でブルキナ・ファソを訪れていた。旅行の最後の行程としてパンジャーリ国立公園へガイドと共に向かう途中で武装集団に拉致された。

パンジャーリ国立公園は象やライオンなどの野生動物が多くいることで有名であるが、隣国ベナンとの国境地帯に位置しており、イスラム系の武装集団が越境攻撃を繰り返している場所でもある。

2人はサファリ地帯を観光して、その晩にロッジに戻る予定であったが、帰ってこなかった。

その3日後、国境を超えた場所で、黒焦げになった彼らのジープとともに虐殺されたガイドの遺体が発見された。

米国政府は金曜日、アメリカ人を含む人質の救出についてフランスに謝意を伝えると共に、戦死した特殊部隊員2名の遺族に対して哀悼の意を示した。

フランス軍が人質救出作戦に成功 特殊部隊員2名戦死 ブルキナ・ファソ

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フランス軍はアフリカのブルキナ・ファソで、武装集団に拘束されていた人質4人の救出作戦を実施した。人質は全員無事に救出されたが、フランス軍の特殊部隊員2名が戦死した。
5月1日に拉致されたフランス人旅行者2人の安否は、日を追う毎に望み薄と思われていたが、他の人質2人と共に無事が確認された。

フランス政府の発表によると、フランス軍は木曜日から金曜日の夜間にかけてブルキナ・ファソ北部において救出作戦を実施、フランス人の男性2人を含む4人の人質を救出した。
作戦中、フランス特殊部隊の2名が戦死したという。

戦死した2名はフランス海軍特殊部隊所属の精鋭で、ブルキナ・ファソを拠点に活動する「タスク・フォース・サーベル」のメンバーとして活動していた。

マクロン大統領は、
フランス軍部隊と隊員の人質救出任務の成功を称える」と述べ、「フランス国民を救うために命を捧げた戦士」を誇りに思うとともに深い悲しみにあると述べた。

この救出作戦には、米国も情報を提供して支援した。

2人のフランス人は、51歳の宝石商と46歳のピアノ教師で共に男性。2人はガイドを同行してサファリツアーに出かけたところを武装集団に拉致された。

他の2人はアメリカ人と韓国人で、詳細は現在のところ不明だが、2人とも女性。

フランス人の2人は日曜日にはフランスへ帰国する予定。

救出作戦での戦闘の結果、武装集団の戦闘員4名の殺害が確認されている。

フランス軍による救出作戦が実施された場所は、ベナンブルキナ・ファソの国境地帯で、イスラム系のテロリスト組織が活発に活動している地域。

実戦的射撃テクニックの考察2 カッコつけだけのテクニックで死なないために

中国 ムスリム数百万人を「強制収容所」に 米国が非難

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国防総省は金曜日、中国が国内の治安対策のためイスラム教徒を「強制収容所」に多数拘束しており、その人数は300万人に上ると非難した。

国防総省ペンタゴン)のインド太平洋地域安全保障問題担当のシュリバー補佐官は、

「『強制収容所』という言葉は政治的には厳しい表現だが、中国が多くのムスリムを拘束している事実からすれば全く妥当な表現だ。」と話す。
拘束されているのはほとんどが新疆ウイグル自治区ウイグル人イスラム教徒だという。

これは国防総省の中国軍についての年次報告の席で発表されたもので、シュリバー補佐官によると

「少なくとも100万人が収容されているが、
おそらくは約300万人とみている。」

ウイグル人の人口は約1000万人であり、人口の3割が収容所に送られている計算だ。

「中国は施設のことを『職業教育センター』などとしているが、実態は『強制収容所』と呼ぶのがふさわしい。」

人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルも昨年、ウイグル人の問題を指摘している。

アムネスティ強制収容所について、
「中国はウイグルカザフスタンなどイスラム教徒の多い民族の人達を拘束し、執拗に監視し、政治的に教化することで文化的に中国に同化させようとしている。強制収容所はその一環だ。」
としている。

ハンビーに代わるJTLVの改良が進行中

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アメリカ陸軍第3歩兵師団はJLTV(Joint Light Tactical Vehicle:統合軽戦術車両) の改良型の運用試験に参加した。

米陸軍のニュース・リリースによると、第3歩兵師団の第1装甲化旅団戦闘団は4月後半から改良型JLTVの運用試験を行い、車両を運用した兵士たちからの評価とフィードバックが収集された。これらは乗員の安全性や車外の視察や監視の容易性の向上に生かされる。JLTVは現用のハンビーの後継として開発が始まったものだ。

2018年度の国防総省年次報告において、JLTVについての評価試験の結果、車体周辺に死角が多く車外の視察が難しいことやエンジン音が非常に大きいことなど、戦闘に不利な欠点が多く指摘されていた。

これに対して陸軍は、「リヤ・ウィンドウを約2.5倍に大型化」、「前方視察用カメラの増設」などJLTVの改良を進めている。