ミリタリー・インフォ☆☆世界軍事情報☆☆

世界の軍事に関するニュースを速報紹介。紛争レポート、最新装備、タクティカルシューティングなどミリタリーマニアにオススメの情報盛りだくさんのニュースブログです。

朝鮮半島とアフガンでの和平推進を協調 トランプ大統領一般教書演説

 トランプ大統領は、二大政党制の重要性と国益のためには相互の妥協の必要性を強調した演説の中で、長期の戦争となったアフガンからの撤退、朝鮮半島の和平及びシリアからの引き上げが必要であることを強く訴えた。
「偉大な国は先の見えない戦いをしないものだ。」というトランプ大統領の言葉は、火曜日の夜行なわれた今年の一般教書演説の中で最も記憶に残るフレーズだった。
f:id:mil-info:20190208193530j:plain
トランプ大統領民主党との対立が白熱化した一部の政府機関閉鎖の事態を受けて、この演説で大統領は経済、外交、国防での成果を強調するとともに、国の団結を訴えた。

朝鮮半島問題では、大統領は北朝鮮独裁政権の存続を認めた。これによって和平の機運が高まり、今月末には金正恩委員長との2回目の会談が開かれる。

「私が大統領でなかったら、今頃は北朝鮮との戦争になっていただろう。やるべきことがたくさんあるが、私と金委員長との関係は良い。2月の27,28日にベトナムで会談する予定だ。」と大統領は話した。

大統領の発案である第6の軍、宇宙軍に関しては触れられなかったが、議場には特別ゲストとしてバズ・アルドリン氏が招かれた。アルドリン氏は史上二番目に月の上を歩いた宇宙飛行士だ。
「今年、アメリカの宇宙飛行士はアメリカの宇宙船に乗って宇宙へ旅立つだろう。」という大統領の言葉に議場はスタンディング・オベーションとなった。

演説の中で特に重点を置かれたのが、メキシコ国境からの不法移民の流入防止のためにトランプ大統領が行ってきた努力についてだった。大統領は国境に壁を建設する必要性を訴えたが、国境での軍の展開については特に新しい発言はなかった。
「私は3750名規模の部隊の増派を命じた。メキシコ国境からの乱暴な不法移民の侵入に備えるためだ。」
「これはモラルの問題だ。今夜、私は大統領として非常に危険にある国境を防衛すべきだとみなさんに訴えたい。彼ら不法移民はアメリカの市民や国家にはなんの愛着も持たず、貢献しようというつもりもない者たちだ。」

トランプ大統領が求める国境の壁の建設には予算の成立が最優先課題だ。歴史的に長期に渡り閉鎖された連邦政府機関は、1月末に再開されたが、予算が成立しなければ2月15日以降再び閉鎖されることになる。大統領は、予算が成立しなかった場合は、国家非常事態宣言を発令する構えをみせている。

一方で大統領は、国境の遥か彼方の遠方で激しい戦いをしている戦士たちを故郷へ帰すつもりだ。

「我々の勇敢な戦士たちは、中東で19年間も戦っている。アフガニスタンイラクで、7000名もの尊い犠牲を払ってきたのだ。」「重傷者は52000名、戦費は70兆ドルも中東のために使っている。」

大統領はタリバンとの交渉を開始し、「この長く血みどろの戦いを終わらせる」つもりだ。

「交渉次第では、徐々に部隊を撤収させ、対テロ作戦に集中することができるはずだ。タリバンとの合意がうまくまとまるかはわからないが、20年も戦いが続いたのだからそろそろ和平の時期が来ているのは間違いない。」

イラクやシリアでのISISとの戦いについては、トランプ大統領は昨年にほぼ完全な勝利を宣言した。一年たった今も戦いは続いているが、大統領は楽観的な見方を示している。

「私が大統領になったとき、ISISはイラク・シリアに20000平方マイルの支配地域を持っていた。今ではその殆どを我々が解放しており、彼らの支配地域はわずかしかない。まもなく米国と同盟国の軍が残存部隊を駆逐し、シリアは解放されるだろう。」

シリアからの撤収がどのように進められるかは不透明だ。昨年12月に大統領はシリアから2000名の部隊を引き上げる計画を発表したが、米中央軍司令官のヴォテル陸軍大将でさえも、撤収についてトランプ大統領からは何も聞いていないという。

米国防総省ペンタゴン、メキシコ国境に現役部隊3750名を追加派遣

国防総省ペンタゴン)は日曜日、新たに3750名の部隊をアメリカ・メキシコ国境に派遣すると発表した。派遣部隊は国境に蛇腹鉄条網を150マイル分敷設するとともに、税関や国境警備の支援に当たる。現役部隊の増援は4350名規模となった。
f:id:mil-info:20190205003717j:plain
今回の発表は、パット・シャナハン国防長官代理の発言を受けての決定のようだ。長官代理は先週火曜日に軍部隊の増派の方針を示していた。
評論家は今回の増派を、トランプ大統領が国境に壁を作る予算を獲得するための政治的な策略とみている。

シャナハン長官代理は先週の火曜日、鉄条網を国境に張り巡らし、強力な監視システムを構成するには、数千名規模の部隊が必要になると語っていた。
日曜日の発表では、軍による国境の巡回警備任務は9月30日まで継続させる予定だという。

議会の軍事委員会議長であるアダム・スミス議員は、外国でテロリストと戦うために訓練を積んでいる現役の部隊に国境警備をやらせるということには、疑問を抱かざるを得ないという。
最初の現役部隊による国境警備支援は昨年の10月30日に始まり、12月15日に終了したが、これまでにさらに2回行なわれている。

「メキシコ国境に何千人も派遣して即応態勢に影響はないのだろうか?せっかくの現役部隊が訓練もできず、時間を無駄に過ごすだけだ。」

統合参謀本部のギルデイ海軍中将は議会の公聴会において、今回の展開が米軍の即応態勢に及ぼす影響は少ないとしながらも、派遣によって訓練の時間が減るだけでなく、兵士たちが家に帰ってくつろぐ時間も少なくなってしまう、と指摘した。

軍ではこれに対処するために、6〜8週間ごとのローテーションを組み、影響を最小限に抑える努力を継続していくという。

アメリカ沿岸警備隊;マイアミ沖でコカイン132ポンド押収

アメリカ沿岸警備隊は木曜日、マイアミ沖の海上においてコカイン132ポンド(60kg)を積んだボートを拿捕、2人を密輸容疑で逮捕したと発表した。
f:id:mil-info:20190203215029j:plain
発表によると、船は全長35フィート(10m)のプレジャーボートで、観光地として有名なハノーバー・インレットから5マイルの大西洋上で発見、拿捕された。

船内ではバハマ人の男がブランケットをかぶって隠れており、コカインはエンジンルームから見つかった。沿岸警備隊によると、男には密輸の前科が複数あり、米当局から逮捕令状が出されていた。

船に乗っていた二人の男は米当局に逮捕され、移民局及び国土安全保障省の捜査官に引き渡された。

米陸軍、次期制式銃選定計画始動 M4,M249SAWの更新へ

米陸軍当局は、M16/M4及びM249分隊支援火器(SAW)の代替となる、次期制式小銃及び分隊支援火器のプロトタイプに関する仕様要求書を公開した。

要求書によると、プロトタイプ作成に参加するのは3社で、多岐にわたる仕様に基づいて作成されたプロトタイプは数年をかけてテスト及び評価される。
この陸軍のプログラムには特殊作戦部隊関係者や海兵隊も参加する。
f:id:mil-info:20190203161513j:plain
次期制式分隊支援火器開発計画(NGSW)は数年前から開発に着手、分隊支援火器(SAW)の代替であるNGSW-Automatic Rifleと、小銃(カービン)の代替であるNGSW-Rifleの2つを開発した。口径は両者とも6.8mm。これは新しく開発された弾で、まだ一般部隊では使用されていない。

NGSW-ARのプロトタイプを採用するコンペティションは、今年の夏に行なわれる予定。4社が参加するこのコンペティションをもってNGSWのプログラムは一旦終了し、改めてNGSW-AR及びNGSW-Rの2つを開発する計画がスタートする。この計画には3社の参加を予定し、プロタイプの作成や様々な弾薬のテストが行なわれる。参加を希望する会社にはNGSW-Rを53丁、NGSW-ARを43丁、弾薬84万5000発を準備することが求められる。
歩兵の携行弾薬の軽量化を求める声に応えるため、今回のテストではポリマー薬莢、従来の真鍮薬莢、テレスコープ弾など威力を落とすことなく軽量化を図ることのできる弾薬のテストを受け入れるとしている。

コンペティションを通過した企業は、27ヶ月間で試作品を完成させることになる。その間には「ソルジャー・タッチ・ポイント」といわれるテストを含む。これは第一線の部隊にテスト使用させ、戦闘状況下での取り回し易さ、持ち易さ、使い勝手などの評価を受けるものだ。
陸軍では選考から改良の段階を経て、2021年には限定的に第一線部隊へ支給する予定。制式に採用となった場合、採用企業は25万丁の銃と15億発の弾薬の発注を受ける。
f:id:mil-info:20190203161536j:plain
次期制式銃に求められる仕様の多くは、左右両利き対応(アンビ仕様)、フラッシュ・ハイダー(消炎制退器)、脱着可能なサプレッサー、アクセサリーを装着するレイル・システムなど、現用の銃と大差ないが、少し異なるのは、「最先端の画期的な技術」によって兵士の戦闘力を飛躍的に増大させる射撃管制装置の開発を求め、さらにそれは「電池を使用するもの」と「電池不使用のもの」の2つのバージョンを要求していることだ。
電池を使用する装置は、乾電池と充電式電池の両方で作動することが求められ、電池の重さは仕様には含まれない。

当局ではレーザーレンジファインダー、弾道計算装置、各種センサー、ディスプレイなどを一つにまとめた新しい射撃管制装置を求めているということだ。これにより射手はディスプレイを覗き込めば、射距離、風速や銃と弾薬の組み合わせなどをすべて計算された諸元を確認して射撃することができるようになる。陸軍の要求では、この装置の重さ2ポンド以下としている。
このような装置の開発は未だ初期段階ではあるが、その完成は遠くないと陸軍は考えている。

アフガン治安部隊が漸減 治安悪化進むか

アメリカのトランプ政権は、アフガニスタンの和平に力を注いでいる中、アフガニスタンの治安部隊は縮小され、治安に空きが生じている。そこへタリバン勢力が入り込んでくるという事態が生じている。アメリカは空爆によってこれを阻止しようとしているが効果が上がっていない。
2001年9月11日の同時多発テロ以来、17年にも及ぶ激しい攻撃にもかかわらず混乱が絶えない状況を、米軍当局は「手詰まりの戦争」と表現している。
f:id:mil-info:20190203102556j:plain
アフガン復興担当特別監察官によると、状況はほとんど変化していない。
木曜に議会に報告したところによると、アフガニスタン政府が現在統治しているのは国土の54%であり、去年の56%から低下した。タリバンの支配地域も14%から12%に下がり、競合地域が34%となっている。

国防総省ペンタゴンは、タリバンに対する軍事的圧力を高めているという。米軍は昨年からアフガニスタン政府を支援するための航空攻撃を大幅に増やした。米中央軍の資料によると、米軍の航空機は2018年の11ヶ月間で6823発の爆弾を投下している。2017年の1年間に投下した数は4361発だった。
それでもアフガニスタン政府は自らの支配地域を広げることができず、専門家はどちらか一方が完全な勝利を挙げることは到底難しいと指摘する。
トランプ大統領がアフガン駐留米軍14000名を半数を撤収させることを検討しているという報道がなされる最中、アフガニスタンのガニ大統領は、タリバンとの戦いで多くのアフガン兵士が犠牲になったことに触れた。ガニ大統領は先週スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムにおいて、2014年以来45000名のアフガン治安部隊隊員が犠牲になったと話した。2014年はバラク・オバマ大統領が米軍のアフガンにおけるタリバンとの戦闘任務を解除し、アフガン政府軍の教育訓練及び支援任務に重点を置くようにした時期だ。

アフガン治安部隊の甚大な損耗は、なぜアフガン政府が精強な35万2000名の警察と軍隊を作り上げることができないのかということを示している。木曜日の特別監察官の報告では、アフガン治安部隊の総数は2016年31万6000名、2017年31万2000名、2018年は30万8000名。これら部隊の装備品調達、教育訓練、人件費、維持費は年に40億ドル以上で、主にアメリカ政府が負担している。

アメリカ軍の高官たちはアフガニスタン政府に自分たちの国を自分で守らせようとという努力が効果を挙げていると主張しているが、トランプ大統領は戦争を継続することの妥当性について、これまでに何度も疑問を投げかけている。大統領のアフガニスタン公使ザルメイ・カリザド氏は、アメリカとタリバンの間で和平のための枠組みにを作る原則について合意したことを明らかにした。ただし、いくつかの重要な点では未だ合意には至っていない。
タリバンの当局が匿名を条件に語ったところによると、両者は米軍とNATO軍が撤退する代わりに、武装組織がアフガニスタンの国土を利用してアメリカやその他の国に攻撃を仕掛けることをやめることについて、同じ認識を持つことができたという。アフガニスタン当局は、トランプ大統領が自分の意図を一般教書演説で明らかにしてくれることを期待している。

火曜日にアメリカ議会上院の情報委員会においてなされた報告では、米軍及び同盟国軍の支援に変化がなければ、2019年にアフガニスタン政府またはタリバンのどちらかが軍事的優位に立つことはない、という分析が出された。
報告では、「全体としてアフガン政府軍は都市や他の重要拠点を保持しているが、タリバンの攻撃は大規模化してきているため、アフガン政府軍は防勢一辺倒になっている。反撃しようにも機動力が不足しているし、取り返した地域を保持するための信頼できる部隊も足りない。」と述べている。



















             

米国、軍事的対応も辞さない構え ロシアのミサイル配備で

アメリカは、ロシアがINF条約を遵守しない姿勢を示していることに対して、軍事的な対応も視野に検討を開始した。ドナルド・トランプ大統領が声明で明らかにした。
f:id:mil-info:20190202024332j:plain
声明でトランプ大統領は、

「明日から合衆国はINF条約に定められた義務の履行を中止し、INF条約からの離脱に取り掛かる。ロシアが条約違反のミサイル、発射機、その他装備品のすべてを廃棄し、条約を遵守しなければ、アメリカは6ヶ月以内に条約を離脱する。NATOの同盟国も我が国を完全に支持している。ロシアがINF条約に違反してミサイルを持つことの危険を理解しているからだ。」

「我が国だけが条約を遵守するつもりはない。我々は軍事的な対抗手段を整えなければならない。NATO加盟国や他の友好国とも一緒に、ロシアが違法な兵器によって力を持つことを阻止しなければならない。」
と述べた。

一方で大統領は、

「我が政府は実効性のある軍縮の為に努力し、合衆国や同盟国の発展に務めてきた。軍縮を国の安全に役立つものにするには、関係各国が義務を完全に履行しなければならない。そのためなら我々はいつでもロシアと話し合う用意がある。そうした話し合いができれば、経済、貿易、政治、軍事のあらゆる面で、かつてない素晴らしい世界が開けるだろう。」

とも指摘した。

マイケル・ポンペオ国務長官は金曜日、アメリカがINF条約に定められた義務の履行を2月2日から中止すると述べた。

元グリーンベレー隊員に禁錮10年の判決 妻子に暴力行為で

f:id:mil-info:20190131173751j:plain
米陸軍の第1特殊部隊コマンドが明らかにしたところによると、第7特殊作戦グループ所属の将校が水曜日、禁錮10年の判決を受け、陸軍を除隊になったことがわかった。罪状は妻や子供に対する5件の暴力行為と2件の危険行為。

判決によると、ジェイソン・サルトリ少佐は当時の妻に対して首締め、殴打、高所からの突き落としを行っただけでなく、腕に子供を抱えている妻に対して弾が装填された銃を突きつけるなどの危険行為を行った。

ベス・リオダン少佐は「サルトリには軍法会議の判決に対して不服申立てをする権利がある。審査に3−4ヶ月がかかるが、自分の主張を申し開く機会が与えられる。」とコメントした。
サルトリには妻の手首を無理矢理に掴んだとする6個目の暴力行為も告発されていたが、これは証拠不十分として罪には問われなかった。

判決によると事件は2015年の8月から2016年の4月にかけて発生したが、その前の2016年の5月にも、サルトリは同じ家庭内暴力の罪で民間の刑務所に2週間収監されていた。妻との離婚は2017年5月に成立している。

事件が明るみに出たのは、2016年の9月に第7特殊作戦グループがサルトリの不倫不貞行為について調査を開始したことによる。サルトリは兵士や民間人15−6人と不倫または不適切な関係を持っていたことが調査によって明らかになった。

陸軍犯罪捜査コマンドの報告書によると、暴力行為は当時の妻だけでなく、他にも2人の女性に対して行なわれたことが立証されている。2人の女性はサルトリと不倫関係にあったことを認めている。捜査当局は、他の疑惑についても引き続き真相解明のために捜査を継続するとしている。