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米陸軍、次期制式銃選定計画始動 M4,M249SAWの更新へ

米陸軍当局は、M16/M4及びM249分隊支援火器(SAW)の代替となる、次期制式小銃及び分隊支援火器のプロトタイプに関する仕様要求書を公開した。

要求書によると、プロトタイプ作成に参加するのは3社で、多岐にわたる仕様に基づいて作成されたプロトタイプは数年をかけてテスト及び評価される。
この陸軍のプログラムには特殊作戦部隊関係者や海兵隊も参加する。
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次期制式分隊支援火器開発計画(NGSW)は数年前から開発に着手、分隊支援火器(SAW)の代替であるNGSW-Automatic Rifleと、小銃(カービン)の代替であるNGSW-Rifleの2つを開発した。口径は両者とも6.8mm。これは新しく開発された弾で、まだ一般部隊では使用されていない。

NGSW-ARのプロトタイプを採用するコンペティションは、今年の夏に行なわれる予定。4社が参加するこのコンペティションをもってNGSWのプログラムは一旦終了し、改めてNGSW-AR及びNGSW-Rの2つを開発する計画がスタートする。この計画には3社の参加を予定し、プロタイプの作成や様々な弾薬のテストが行なわれる。参加を希望する会社にはNGSW-Rを53丁、NGSW-ARを43丁、弾薬84万5000発を準備することが求められる。
歩兵の携行弾薬の軽量化を求める声に応えるため、今回のテストではポリマー薬莢、従来の真鍮薬莢、テレスコープ弾など威力を落とすことなく軽量化を図ることのできる弾薬のテストを受け入れるとしている。

コンペティションを通過した企業は、27ヶ月間で試作品を完成させることになる。その間には「ソルジャー・タッチ・ポイント」といわれるテストを含む。これは第一線の部隊にテスト使用させ、戦闘状況下での取り回し易さ、持ち易さ、使い勝手などの評価を受けるものだ。
陸軍では選考から改良の段階を経て、2021年には限定的に第一線部隊へ支給する予定。制式に採用となった場合、採用企業は25万丁の銃と15億発の弾薬の発注を受ける。
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次期制式銃に求められる仕様の多くは、左右両利き対応(アンビ仕様)、フラッシュ・ハイダー(消炎制退器)、脱着可能なサプレッサー、アクセサリーを装着するレイル・システムなど、現用の銃と大差ないが、少し異なるのは、「最先端の画期的な技術」によって兵士の戦闘力を飛躍的に増大させる射撃管制装置の開発を求め、さらにそれは「電池を使用するもの」と「電池不使用のもの」の2つのバージョンを要求していることだ。
電池を使用する装置は、乾電池と充電式電池の両方で作動することが求められ、電池の重さは仕様には含まれない。

当局ではレーザーレンジファインダー、弾道計算装置、各種センサー、ディスプレイなどを一つにまとめた新しい射撃管制装置を求めているということだ。これにより射手はディスプレイを覗き込めば、射距離、風速や銃と弾薬の組み合わせなどをすべて計算された諸元を確認して射撃することができるようになる。陸軍の要求では、この装置の重さ2ポンド以下としている。
このような装置の開発は未だ初期段階ではあるが、その完成は遠くないと陸軍は考えている。