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米海軍の機雷処理用水中ドローンが公開

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今月、米海軍の第1EODグループの隊員115名がアラスカでの寒冷地演習に参加した。部隊は潜水員、EOD技術者、無人潜航艇などから構成されており、訓練はアメリカ最西の都市アダックにおいて寒冷地での任務遂行能力を養うことを目的に実施された。

今回の演習にはMk18 ソードフィッシュやMk18 Mod2 キングフィッシュなどの無人潜航艇数隻が初めて参加した。これらは視度不良時でも機雷処理が可能ないわば水中ドローンだ。

また「シーボティックス」というリモコン操縦の潜航艇も使われた。これはソナー情報や映像を収集する偵察活動に使われている。

無人システムは将来戦において不可欠だ。このような無人潜航艇を活用すれば、従来潜水員が身を危険に晒して行ってきた任務を代行させることで隊員のリスクは激減するからだ。

しかし、そのためには戦争が起こる前にテストを行い、十分に性能を検証することが重要だ。寒冷地でのテストとして行われた今回の演習では、無人潜航艇の一部のシステムにおいてバッテリー切れが起こった。これはカタログデータでは分からなかったことだ。

寒冷地演習が行われたことは、世界情勢と無関係ではない。折しもマイク・ポンペオ国務長官がロシアと中国の北極海における動きに懸念を表明したばかりだ。

「シール・チーム7」指揮官を更迭 戦場での規律違反で

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米海軍特殊作戦コマンドは、指揮監督能力不足のために部下隊員の規律違反行為を防げなかったたとして、ネービー・シールズ「チーム7」の3名の上級指揮官を更迭したと発表した。

今年7月に中東に派遣されたシール・チーム7は、規律違反疑惑が報じられたためイラクから帰国させられていたが、今回の指揮官更迭はこれを受けての処分だ。

更迭されたのは、「チーム7」隊長エドワード・メイソン中佐、同副隊長ルーク・イム少佐、先任小隊長ヒュー・スパングラー最先任上級軍曹の3名。

発表によると3名の指揮官たちは、「チームの2つのユニットにおいて戦地での命令違反及び規律違反行為が生起したのは、彼ら3名のリーダーシップの欠如が原因」としている。

同チームの小隊では、先任士官が同僚の女性隊員をレイプしたり、戦場で飲酒していたなどの疑惑が報じられ、展開していたイラクから帰国させられていた。

今回の処分はネービー・シールズ及び特殊部隊コミュニティーの綱紀粛正を求める動きの一つだ。

更迭された3名は第1海軍特殊作戦群に異動とされている。新たに上番する指揮官の名前は、秘密保全のため非公表となっている。

3名は合わせて11ものブロンズ・スター勲章を受けている。中でもスパングラー最先任軍曹は8コのブロンズ・スター勲章、パープル・ハート勲章(名誉負傷章)など数多く受勲する英雄。

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レンジャー隊員戦死の原因はアフガン兵士の誤射と判明

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昨年11月にアフガニスタンで実施された襲撃作戦において戦死した米陸軍レンジャー隊員は、アフガニスタン軍コマンド部隊兵士の誤射によるものであることがわかった。

公開された記録によると、2018年11月24日戦死したリンドロ・ジャッソ軍曹の致命傷となった銃弾は、アフガニスタン軍特殊部隊コマンド所属の兵士から発射されていた。

ジャッソ軍曹が戦死した日の夜は、アフガニスタンのニムラズ県において、米陸軍レンジャー部隊とアフガン軍コマンド部隊の合同部隊がアルカイダ武装組織に対して「応急の襲撃作戦」を実施していた。

戦闘の最中、奇妙な場面が生起した。襲撃部隊が大きな木の下に潜んでいる敵に呼びかけようと近づくと、そこに敵の姿はなく、枝から衣服と靴がぶら下げられていただけだったのだ。

部隊がこれに気をとられていると、アルカイダの戦闘員はレンジャーたちに向かって射撃を開始してきた。それはちょうど応戦するアフガン軍コマンド部隊からはレンジャー部隊に射線が向いてしまう方向からだったのだ。中でも危険な位置にいたのがジャッソ軍曹だった。

それから1時間足らずの間に軍曹は死亡、他のレンジャー隊員やアフガン軍兵士、さらに米陸軍の軍用犬も負傷した。
また敵の戦闘員10名の殺害が確認されている。

戦死当時の調査においても、軍曹が友軍の射撃によって死亡した可能性が指摘されていた。

今回の捜査に当たった担当官は、「アフガン軍の兵士が意図的に撃ったという証拠は一切認められなかった。」と断定した。軍曹が誤射によって死亡した原因は、「襲撃の実施を急ぎすぎたことによる準備不足」であり、「逃げた敵戦闘員を追って正確な現在地が分からなくなっていた上に、部隊相互の位置関係の把握や周辺に対する警戒ができていなかった」としている。

アフガン軍コマンド部隊は、今までに5度にわたってレンジャー部隊と合同作戦を実施しており、友軍誤射事案は一度も発生していなかったという。

周辺住民の避難命令を突然取り消し ロシア原子力巡航ミサイル事故

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ロシア軍施設で起こった原子力推進式とみられるミサイルの爆発事故で、周辺住民には一旦避難命令が発令されたにも関わらず、突然に命令が取り消されていたことがわかった。

8日の夜、モスクワから600マイル離れたあるハンゲリスク州ニョノクサの白海沖で放射性物質を搭載したミサイルが爆発、作業員5名が死亡した。爆発後、現場周辺は黒い雲に覆われ、被爆の恐怖のために混乱が発生した。

軍当局は13日、周辺住民に対して翌日から列車での避難を準備するよう命令を出したが、命令は数時間後に取り消されていた。当時の周辺地域は一時急激に空間放射線量が上がるなど、被爆の恐怖のために混乱が発生しており、軍は避難命令によってさらに混乱が深まることを懸念したもののようだ。

ロシアの原子力企業ロスアトムは、死亡した従業員がミサイルのための「ごく小規模の原子炉」の作業に当たっていたことを認めている。

アメリカの専門家の分析によると、今回事故を起こしたミサイルは、アメリカ側で「スカイフォール」(ロシアでは「ブレヴェストニク」)と呼ばれる原子力巡航ミサイルとみられている。

現在、周辺地域の放射線量は低下し、落ち着いているという。

米軍の携帯食料MREが超コンパクト化! 大きさ3分の1に!

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将来の兵士は、朝食に小さなフード・バーになったベーコンエッグを食べているかもしれない…。

「真空調理」という新技術が米軍の将来の携帯食料MRE(Meal,Ready to Eat)の基本となるようだ。

1食分のベーコン、卵、チーズ、クリームといった食材を真空の電磁乾燥器に入れて80分間乾燥させると、大きさはスニッカーズのキャンディ・バーよりも小さいながら、カロリーは2倍かつ栄養も豊富なフード・バーができあがる。

米陸軍のナティック研究所のトム・ヤン研究員によると、「完全な食事を一本のバーで摂れるようにすることが我々の目標だ。」という。

ナティック研究所では陸軍の将来携帯食料を開発中であり、例えばMREピザ、携帯用フルーツ、軽量化糧食などが研究されているという。

今回開発された真空調理フード・バーは、現行のMREの3倍の栄養を含有しながら、格段に小さく軽くなっており、新しいCCAR(Close Combat Assault Ration)に採用される予定だ。試作品の重さはMREの3分の1だという。

米軍は独立して行動する小部隊の携行糧食について研究を重ねている。彼らは補給なしに1週間行動することもあるからだ。
現状では各人が21食ものMREを携行することになるが、部隊からは糧食の軽量化についての要望が高い。

この問題を解決すると期待されるのが、真空電磁乾燥技術だ。
食材から水分を抜き取って乾燥・収縮させるのだが、真空状態の中では水分は低い温度で沸騰・蒸発するので食材の味や風味、食感が損なわれにくい。これはいわゆる「真空調理法」という技術の応用であり、低い温度で調理することによって、食材が固くなったりせず、栄養も失われない、という利点がある。

ナティック研究所では現在、ベーコン、バナナ、チーズケーキ、タルトなどの真空電磁乾燥に挑戦しているという。