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南北朝鮮が火曜日に対話で合意

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南北朝鮮が来週火曜日、2年ぶりに会談することが決まった。平昌冬季オリンピックでの協力や最悪の状況にある2国間関係の改善について話し合う。昨年のミサイル危機以来初めての前向きな兆候であるが、両国は深い憎しみを清算する機会を逃し続けてきただけに期待しないという声も多い。
対話が決定したという発表がされたのは、米国が韓国との共同軍事演習を平昌オリンピックの期間終了まで延期することを発表した数時間後であった。北朝鮮は、同演習が北朝鮮攻撃の予行演習であるとして中止を強く主張していた。
韓国の統一相によると、北朝鮮は今朝、オリンピックでの協力と2国間関係の改善について話し合うため、板門店で会談することを受け入れる旨を連絡してきたという。昨年11月に同地で脱走を図った兵士は、現在順調に回復している。
いかなる内容でも南北が対話に合意したことは歓迎すべき発表だ。しかし、今回の北朝鮮の柔軟な姿勢も、米韓の連携を崩すために韓国に揺さぶりをかけているだけではないかという批判的な意見も確かにある。北朝鮮金正恩党委員長は今年の年頭の辞で、平昌オリンピックに代表団を派遣する用意があると述べるとともに、米国に対しいつでも核ミサイルを発射できるとも述べたからだ。
トランプ政権は次回の韓国との共同演習を3月8日から18日の間に実施すると発表した。マティス国防長官は、「演習の延期はオリンピックの開催に配慮したもので、北朝鮮に対する政治的なサインではない。」と述べている。

北朝鮮、大型ICBM発射を予定

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北朝鮮金正恩党委員長は、ロケット技術者に対し過去最大となる弾道ミサイルを製造するよう命じた。今年9月の北朝鮮建国70周年にあわせて発射を計画している。ミサイルは北朝鮮が今までなし得なかった大気圏への再突入が可能になるよう設計されるという。北朝鮮のミサイル計画に関与していたという脱北者が証言した。
証言によると、新しい弾道ミサイルの発射の目的は2つある。1つは弾道ミサイルを監視・誘導する衛星システムのテスト、もう1つは弾道ミサイルの大気圏再突入技術をテストすることです。
北朝鮮はすでにミサイルの大気圏再突入技術の完成に取り掛かっている。昨年11月に発射された火星15号は大気圏に再突入したものの失敗した。
新型弾道ミサイルの発射は今年の9月9日に予定されている。この日は北朝鮮の建国70周年にあたるからだ。北朝鮮はいままでも国の重要な記念日に合わせて核実験やミサイルの発射を行ってきた。現在すでにミサイルの胴体部分は完成しているが、発射の準備にはこれから約半年かかるという。

マティス長官、特殊部隊員の負担軽減を検討

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米国のジム・マティス国防長官はアフガニスタンなどで特殊作戦任務に就く特殊作戦部隊の負担軽減を図る方針を示した。これにより、従来特殊部隊が担当してきた任務の一部を通常作戦部隊が担うことになりそうだ。

過剰な激務に就いているSOCOM隊員の負担を軽減するため、マティス長官は、2001年の9.11テロ以来、通常作戦部隊が向上させてきた「共通の作戦遂行能力」を最大限に活用するという。「今まで特殊部隊だけが担当してきた特殊作戦任務を、通常作戦部隊がより多く就くことを期待している。」

「従来は特別な能力が必要な作戦は特殊部隊にしかできなかった。しかし今ではそういった能力の多くを通常作戦部隊も持っている」

「例えばドローンを飛ばせるのは昔なら特殊部隊しかできなかった。しかし今はドローンの運用は通常作戦部隊でも当たり前に行っている」

ここ数年間、特殊部隊の隊員たちは任務があまりにも過酷であると訴えている。昨年の5月にはSOCOM司令官トーマス将軍が米上院軍事委員会において「我々は万能薬ではない。特殊部隊が世界中の軍事問題を解決できるわけではない。」と発言した。

トーマス将軍によると現在8000名以上の特殊部隊隊員が世界80ヶ国に展開しており、任務があまりに多いために部隊の態勢維持に影響が出ているという。「特殊部隊が何でも解決できるわけではなのだと訴えているのに、(議員たちは)全く聞こうともしない。」

マティス長官は「アフリカのサヘル地域に展開している特殊部隊をいわゆる「通常作戦部隊」と交代させる準備を既に整えた」と述べた。「この地域ではフランス軍が主導して現地の軍隊を支援してきたが、米国以外は殆どが通常作戦部隊を派遣している。例えばこうした任務があれば、積極的に通常作戦部隊を配置していくつもりだ。」

陸軍では、外国軍の教育訓練を担当する第1治安部隊支援旅団(1st Security Force Assistance Brigade、Fort Benning,Georgia)が編制されている。同旅団は従来特殊部隊が主に担当してきた外国軍の教育訓練や助言を専門に行う部隊だ。この春にはアフガニスタンへ派遣され、アフガニスタン国軍及び治安部隊の指導にあたることになっている。

モザンビーク・ドリルとは

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敵の身体の中央に2発、次いで頭部に1発撃ち込む「モザンビーク・ドリル」。今では基本中の基本として誰もが練習しているこのドリルは数十年前、ジェフ・クーパーの教え子であるマイク・ロソーがアフリカのモザンビークで経験したガンファイトが由来だ。モザンビーク・ドリルについてジェフ・クーパーは次のように語っている。

モザンビーク・ドリルを取り入れたのは、当時モザンビークにいた教え子のマイクから現地での経験談を聞いたからだ。当時のモザンビークは荒廃して危険な国だった。彼はラウレンコ・マルケス空港周辺で起こった戦闘に巻き込まれた。角を曲がると、そこにはAK47を持ったテロリストがいた。テロリストは彼を見つけるとこちらに近づいてきた。距離は約10歩。マイクは腕のいいシューターで、携行していたP35拳銃を構えて2発撃ち、左右の鎖骨に命中させた。ところがテロリストは倒れることなく、そのまま近づいてくる。この時マイクはとっさに頭部を撃ち抜こうと判断し、射撃したが、焦ってしまったために弾は脊椎と鎖骨の間に命中した。幸い戦闘はそこで終わった。」

「このことを分析してみた結果、私はガンファイターたる者は敵の身体の中央にできるだけ早く2発撃ち込み、効果がなければすぐに別の場所を狙って撃てる体勢をとるように訓練しなければと思ったのだ。中央に素早く2発撃ち込むことは難しいことではなく、確実性が高い。通常の弾を使っていて、かつ敵が防弾チョッキを着ていなければ、大抵はその2発で敵は戦闘不能になる。」

「しかしながら、単に『中央に2発、頭部に1発』という練習をすればいいというわけではない。確実に頭部に1発撃ち込むことができるようになるには、確実に中央に2発撃ち込むよりも難しい。なぜなら射撃のペースが変わるからだ。最初の2発はできるだけ早く撃ち込むが、そのあと一旦敵の様子をみて、じっくりと正確に狙わなければならない。簡単なことではない。初心者は3発とも同じペースで射撃することが多い。最初の2発が遅かったり、最後の1発が早すぎたりする。ペースを変えて射撃するには集中力と慣れが必要で、それには練習するしかない。」

2018年注目の紛争地域

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イラク及びシリアではイスラム国(IS)は一掃されたものの、2018年には未だ注目されていない他の地域に注目が集まる可能性がある。そこでもまた米国の支援または必要に応じて米軍のプレゼンスが求められるだろう。


「フィリピン」

ISISはフィリピンに勢力を維持しており、約3ヶ月前からミンダナオ島の都市部を支配していた。米国の援助を受けた現地部隊が奪回したものの、部隊が受けた損害は大きかった。この地域は先住民のイスラム教徒と北部のキリスト教徒の間の対立が根深く、ISISに共鳴する者が多い。米国防総省は最近、フィリピンにおける支援作戦の名前を「不朽の自由作戦」から「パシフィック・イーグル」に変更し、この地域における対テロ戦争を重視している。現在フィリピンには海兵隊を主とする約100名の米軍部隊が駐屯している。

 

「エジプト」

エジプトのシナイ半島では2年前からISISと治安部隊の戦闘が続いているが、特に昨年の戦闘は熾烈を極めた。11月26日にはISISの戦闘員がモスクを攻撃し300人以上の犠牲者が出た。しかしこの攻撃は戦略的にはISISにとって失敗となるかもしれない。なぜならこの攻撃に反発して周辺のベドウィン族が治安部隊に協力することを約束したからだ。それでもISISはこの地域に強い影響力を持っているし、アルカイダのシンパも活動している。米中央軍は情報活動や作戦指導のための部隊をエジプトには展開させていないが、エジプトは「ブライト・スター」演習のような大規模な共同訓練を米軍と実施している。

 

ジョージア

旧ソ連の衛星国であったジョージアは、10年以上前からNATOに加盟することに関心を示し続けている。これに対しロシアはジョージアアブハジア地方及び南オセチア地方を分離独立させ、ジョージアNATOに加盟しないよう圧力をかけている。

ロシアは2008年の夏に南オセチアへ戦車部隊を侵攻させ、ジョージア軍と戦闘になっている。戦闘は一週間ほどで収束したが、同地方は未だ一触即発の状態にある。米国政府は最近、ジョージアに対してジャベリン対戦車ミサイルを譲渡することを承認した。

現在ジョージアには約30名程度の米海兵隊員が駐屯し、NATOアフガニスタン支援部隊とともにアフガンに派遣される予定のジョージア軍部隊の教育訓練に当たっている。米軍はジョージア軍との共同訓練も行っており、2017年には「ノーブル・パートナー」及び「アジール・スピリット」演習を行った。

 

「メキシコ」

英国の有力なシンクタンクである国際戦略研究所(IISS)の報告書によると、メキシコはシリアに次いで最も凄惨な紛争が起こっている国だという。アメリカの隣国であるメキシコはギャングによる暴力犯罪や麻薬テロに悩まされている。これに対してアメリカ政府はメキシコの治安部隊に対してごく小規模な教育訓練や装備品援助のプログラムを実施し、国際犯罪に対する戦いを支援している。しかし米国防総省ペンタゴンによると、これらの支援は長年慣例的に行ってきたものであり、派遣しているアメリカ人顧問にはメキシコにおいて一切の権限を持たず、彼らがメキシコ国内において作戦を行うことはないという。装備品の援助についても多くがFMS調達(有償援助)で行われている。近年では機動力の向上を目的としてヘリコプターやハンビーなどを大量に取得した。2014年にはハンビー3000両、少数のUH-60ブラックホーク及びC-130J輸送機2機の譲渡をアメリカ政府が承認している。

フェデラル社が.224弾の新製品を発売

f:id:mil-info:20171230190044j:plain弾薬メーカーのフェデラル・プレミアム社は、.224ヴァルキリー弾の新製品を発売すると発表した。「MSR15の長距離射撃において今までにない精密さと威力を併せ持つ」としている。新しい.224弾は低伸弾道、競技仕様の精密性があり、1300ヤード以遠で音速以上の弾速を有している。

フェデラル社の担当者によると、「.224ヴァルキリー弾は.30Rem/6.8SPCの薬莢を.224口径のサイズに小さくしたもので、.22Noser,.223Rem,6.5Grendelといった他のMSR15用の弾薬よりも優れています。より口径の大きい6.5Creedmoor弾にも負けない威力がありますが、反動は半分です。そしてなによりも値段が手頃なのです。」

新製品のテクニカルデータはラスベガスで行われる2018年度ショットショーで公開される。

自爆テロで40人以上死傷 ISがシーア派攻撃か

f:id:mil-info:20171229131701p:plainアフガニスタンの首都カブールにあるイスラムシーア派の施設が爆破され、少なくとも41人が死亡、84名が重い火傷などの重傷を負った。爆発は自爆テロによるものとみられ、イスラム国ISが犯行声明を出している。

IS系のニュース社Aamaqによると、自爆テロは実行者犯1名で爆弾3個を使用したという。自爆テロは、シーア派住民が1979年の旧ソ連アフガニスタン侵攻を記念するための集会のために集まっているところを狙って行われたという。

犯行声明には触れられていないが、シーア派施設の外でも爆発が起こったことがわかっている。これは親イランのAfgan Voice News社が入っている建物の外で、同じくテロの標的になったとみられる。

声明の中でISは爆破されたシーア派施設について「同施設はイランの資金援助によって建てられており、シーア派プロパガンダに使われている」と主張している。