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アメリカ製防空システムの脆弱性を露呈 サウジアラビア石油施設攻撃

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地を這うように飛行してきた大量のドローンと巡航ミサイルによって行われたサウジ石油精製施設への攻撃は、数十億ドルにも上るという被害のみならず、パトリオット・システムを含むアメリカ製防空システムに欠陥があることを露呈させた。

9月14日にイランとその支援を受けた勢力が行ったとされるアブ・クアイク石油精製施設及びアブ・クライス油田への攻撃は、サウジがアメリカから導入したホークやパトリオットから成る防空システムの評価を地に落とした。

専門家によると、サウジ側のオペレーションにも問題があったようだ。巡航ミサイルを大量に撃ち込まれた場合に必要な対空レーダー、迎撃ミサイル、対空砲などは配備されていたにも関わらず、サウジ側に迎撃行動を行うための警戒態勢が保持されていなかった可能性があるという。

今回の攻撃はアメリカ軍も予期していなかったようだ。ダンフォード統合参謀本部議長は、中東に展開している海空の米軍部隊が今回の攻撃に関して衛星画像やミサイルの弾道データなどを収集できていなかったと述べている。

サウジアラビアは現在、少なくとも6個のパトリオット中隊を保持しており、1個中隊分のシステム一式の値段は10億ドルだという。しかし、サウジの持つパトリオット・システムは高い上空を飛行する弾道ミサイルに対処するためのものであり、低い高度を飛び速度も遅いドローンや亜音速で地上すれすれを這うように飛行する巡航ミサイルに対してはほとんど対応できない。

またパトリオットはいわゆる「点」の防空システムであり、広い範囲をカバーすることは困難だ。専門家によれば、現在こうした防空能力を持つシステムは、ロシアの「ガントレット」対空システムくらいであるという。同システムはイランが導入しており、低空を飛行するUCAV(無人攻撃機)や巡航ミサイルにも対応できる能力を持つ。今回の攻撃を受けて、早速ロシアのプーチン大統領がサウジに対してロシア製ガントレット・システムの供与を申し出たという。

今回の石油施設に対するドローン及び巡航ミサイルの攻撃は、非常に正確なものだった。分析によると、アブ・クアイク石油精製施設で17箇所、アブ・クライス油田に15または16箇所が攻撃を受けたが、直径30メートルの楕円形のガスタンクに対しては12箇所全てがタンクの中央に命中し破壊されていたという。

重要な工業生産施設やインフラ、軍事目標に対して、非常に低コストのドローンによって甚大な損害を与えることができることを今回の攻撃は証明した。