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米陸軍 ロボット野戦運搬車SMETを装備化へ

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米陸軍は、兵士が携行している弾薬や水などの重量物を運搬する、リモート・コントロール式のロボット野戦運搬車SMETを来年にも装備化する準備を進めている。

陸軍はこれまで10年以上に渡って開発を続けてきたが、最近まで行われた第10山岳師団と第101空挺師団による運用試験の結果、プロトタイプ4機種のうち1機種が関係者から高い評価を得たという。

SMET(Small Multiple Equipment Transport:小型多目的装備運搬車)は兵士が携行する装備品など1000ポンドを積載し、72時間で60マイルを運搬することができる。車内には出力3kwhの発電機も搭載しており、兵士が装備する電子機器の充電が可能。

昨年11月にはプロトタイプ4機種が選定され、運用試験が行われた。プロトタイプとして選ばれたのは、ポラリス・インダストリー社の"MRZR"、ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システム社の"MUTT"、HDTグローバル・ハンター社の"WOLF"、ホウ・アンド・ホウ・テクノロジー社の"Grizzly"の4機種。

運用試験には第10山岳師団と第101空挺師団から各1個BCT(大隊戦闘団)が参加、BCTにはプロトタイプ4機種がそれぞれ8両割り当てられ、各駐屯地及びルイジアナ州フォート・ポークのJRTC(統合即応訓練センター)において試験が実施された。

実は計画の初期段階ではSMETは"Squad" Multiple Equipment Tranport:分隊多目的装備運搬車と表記されていて、歩兵分隊などに装備させる目的でスタートしていた。しかし計画が進むにつれ、こうした車両を歩兵分隊などが装備するのは、かえって重荷になることが明らかとなった。

開発関係者は、
「SMETの性能は非常に良好ではあるが、分隊レベルにはふさわしくない。そもそも歩兵は錯雑地、ジャングル、急斜面、河川、過密な市街地など車両の進入が困難な地形で行動するものだからだ。SMETといえども歩兵に随伴できない場合があることは否めない。」と説明する。

この結果当初の計画は変更され、SMETは大隊レベルで保有する車両として開発が続けられることとなった。分隊や小隊は必要な場合のみSMETを使用し、管理は大隊が行うこととしたのである。

「大隊なら戦闘支援中隊で管理することが可能だ。分隊、小隊、中隊は戦術上必要となったときにだけSMETを使えばいい。」

現在、陸軍では装備化の要求を申請しており、早ければ2020年の運用開始を予定している。