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2019年度「ベスト・レンジャー・コンペティション」開催!

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「ベスト・レンジャー」の称号を競う競技会が、レンジャーの聖地ジョージア州フォート・ベニング駐屯地で開催された。タフで知られるレンジャーの中でも最もタフなレンジャー隊員が「ベスト・レンジャー」だ。

今月の初め、106名のレンジャー隊員がバディを組み、「ベスト・レンジャー」を勝ち取るため、60時間に渡って過酷な競技会に臨んだ。睡眠時間もなく、全身ずぶ濡れになり、重い装備を身に着け、レンジャー隊員達は長距離を歩き、走り、泳ぎ、時にはロープ一本を頼りに厳しい地形を克服していく。ライフルや機関銃の射撃、戦闘救護、夜間のランド・ナビゲーションなどの過酷な種目が休みなく続いた。

2019年度の「ベスト・レンジャー・コンペティション」のゴール・テープを切ったのは、第101空挺師団から参加したジョン・バーグマン大尉とマイケル・ローズ大尉のチームだった。ライフルを掲げてゴールを切ったバーグマン大尉は3回目の優勝、ローズ大尉は2回目だ。

競技会が開かれたフォート・ベニング駐屯地は、エリート部隊として有名な第75レンジャー連隊が駐屯するだけでなく、厳しさで知られる「陸軍レンジャー・スクール」が置かれている。精強なレンジャー隊員になるには、61日間の過酷なレンジャー教育を修了しなければならないが、志願者の約半数が途中で脱落するという。

2回目の栄光を勝ち取ったローズ大尉でさえ、レンジャー・スクールを一度脱落している。しかし大尉は強靭な意思でレンジャー・スクールを再志願し、教育を修了、「ベスト・レンジャー」を勝ち取るまでになった。

「ベスト・レンジャー・コンペティション」は、1982年に陸軍の特殊作戦部隊の競技会として始まった。その狙いは「レンジャー隊員として体力、気力、技術、戦技を極限まで練成する」という厳しいものであった。

それから30年が経ち、競技会はレンジャー教育を修了した有資格者全員の参加が認められるようになり、米陸軍のあらゆる部隊から選手が参加している。

今回の競技会は4月12日の夜明け前に5マイル走で始まり、障害走、重量担架運搬、水泳、ボディ・アーマー装着での駆け足、市街地戦闘訓練、射撃検定、そして夜間行軍と続いた。これは3日間の開催期間の初日の種目だ。

2日目にして参加者には疲労困憊の様子が伺えた。2日目はタワーへの登攀及びラペリング、墜落したヘリコプターからの負傷者救出訓練、日没後に参加者は山地にヘリで移動し、夜間のランド・ナビゲーションに挑戦した。

最終日のフォート・ベニングは強烈な雷雨に見舞われ、竜巻が接近する恐れもあったために一部の競技が中止となったが、2マイルの障害走、戦闘水泳、水上胆力訓練などが行われた。

今回優勝し「ベスト・レンジャー」となった2名の大尉は、競技会のために数ヶ月前から練成に励み、週に100マイルの行軍、ランニング、筋力トレーニングなどを積んできた。これには所属部隊や家族の多大な協力があったという。

大尉として間もなく部隊指揮官となるバーグマン大尉は、兵士たちへのメッセージとして、

「いかなる功績を成し遂げたとしても、その上が必ずある。向上心を持ち続けてほしい。」と語った。