襲撃をライブ配信、周到に計画 NZモスク乱射事件続報
事件は午後1時45分頃、クライストチャーチ中心部にあるマスジド・アル・ヌール・モスクで発生し、少なくとも30人が射殺された。
目撃者によると、全身黒ずくめの男がモスクに入った後、銃声が何回も聞こえ、同時にモスクから大勢の人が逃げ出してきた。
犯人はモスクから走って出てくると、自動小銃のようなものを投げ捨てて逃走した。
目撃者はすぐにモスクに入って救助に当たったという。
「至るところに死体がありました。廊下に3人、礼拝所に入るドアの周りや、礼拝所にも…。信じられません。どうしてこんなことをするのか。あまりにも酷い。」
犯人は白人で、頭頂部に何かの装置を付けたヘルメットを被り、兵士のような格好だったという。
犯人は凄惨な事件の有様をインターネットでライブ配信していた。映像によると犯人はモスク内で2分間に渡り、恐怖に震える参拝者たちに向けて幾度も発砲し、時にはすでに倒れて動かなくなっている人達に対しても何度も銃弾を撃ち込んでいた。
その後犯人は道路に出て、歩道にいた人達に向けて発砲すると、車に戻って銃を取り替えた。映像では子供の叫び声も記録されていた。
犯人はモスクに戻ると、映像から少なくとも24人の人が床に倒れているのが確認できた。犯人は再び外に出て女性に発砲し、車に戻った。車内では英国のロックバンド「The Crazy World of Arthur Brown」の「Fire」という歌が大音量で流れていた。 「俺は地獄の火の神だ!」というくだりが聞き取れる。そこで映像は終わっている。
2度目の無差別乱射はリンウッド・マスジド・モスクで発生し、少なくとも10人が射殺された。
目撃者によると、銃声が5回程聞こえ、ストレッチャーに乗せられた人を2人見たという。2人とも生きているようだった。
警察当局は金曜の礼拝のためにモスクに行くことを当面控えるよう警告している。
この無差別乱射事件の犯人と名乗る男は、ニュージーランドに来たのは襲撃の計画と準備をするためだったとしている。男は自分はいかなる組織にも属していないとしている。男は多くのナショナリストのグループに寄付をし接触をしているが、単独で行動し、今回の襲撃についていかなる組織の命令も受けていないという。
男によるとクライストチャーチとリンウッドのモスクは当初からのターゲットであり、計画ではアシュバートンにあるモスクも襲撃する予定であったという。
ニュージーランドを選んだのは地理的な理由で、地球上の最果てのような離島であっても「大量な移民」を際限なく受け入れることは許さない、というメッセージであった。
ニュージーランドは概して移民や難民を積極的に受け入れている国だ。昨年、首相は難民の受け入れ人数枠を2020年以降1000人から1500人に増やすと発表した。アーデーン首相の政党は難民の受け入れ枠を増やすことを「社会的正義」として公約しているからだ。
土曜日に開催が予定されていたニュージーランドとバングラデシュのクリケットの試合は中止となった。バングラデシュのクリケット・チームの選手やスタッフたちは無差別乱射事件が発生した当時、バスで事件現場のモスクに向かっている途中で、辛くも命拾いをしたのであった。