H&K社「米海兵隊員は単細胞」と投稿 フェイスブック炎上
H&K(ヘッケラー&コッホ)社は何千丁ものM27歩兵自動銃を米海兵隊向けに生産、納入しているが、海兵隊には少し思うところがあるようだ。
H&K社の米国法人は2018年の4月、海兵隊に15000丁のM27を納入する契約を結んだ。M27歩兵自動銃は、これまでにごく少数がテストされ、M249SAW(分隊支援火器)及びM4カービンに代わる制式銃として広く海兵隊に採用されることになっている。
M27は命中精度の高い銃として、海兵隊での評価は高い。しかし、海兵隊とH&K社の関係は相思相愛とはいっていないのかも知れない。火曜日のH&K社のフェイスブックにはこんな投稿が掲載されていた。
「できたてほやほやのM27歩兵自動銃がジョージアから海兵隊員たちの元へ届けられます。」というタイトルで梱包された銃の画像が掲載されているところに、
「単細胞な海兵隊員(Crayon Eaters)さんにお願いです。どうかこの銃を大事に扱ってください。乱暴に扱っても大丈夫”Marine Proof”(海兵隊仕様)なように作ってはいますけどね。」
という文が添えられていたのだった。
この投稿は一気に拡散、1日で19000回シェ
アされ、26000のコメントが寄せられた。この記事を投稿したハンドルネーム”Social Media Girl”はたくさんのコメントに対して、逐一返信をしているが、これも皮肉が効いている。
「参考までに、決して海兵隊員をバカにしたわけではありません。文章を読むことができても戦いに勝てるわけではないですし。」
「体はタフだが、おつむは単細胞」という海兵隊のステレオタイプなイメージを取り上げてコメントする者もいる;
「元海兵隊員だが、銃の写真しかみてないよ。だって文章読んでもわからないから。」
H&K社の「皮肉好きな」投稿者はこのコメントに素早く返信して;
「私達が海兵隊向けに作成したM27のトレーニング・マニュアルには、6文字以上の単語は使わないようにしたけれど、それでも海兵隊から『図や絵が足りない』と言われた。仕方なく作り直したが、その結果文章はなくなり、代わりに絵ばかりに…」
と返している。
H&K社のフェイスブックが炎上すると、”Social Media GIrl”は「海兵隊をディスる人たちの中に巻き込まれてしまうのは困ります。」と、これも皮肉混じりに不安を表していた。
だが「彼女」によると、これに対して H&K社の上司は今のところ、彼女を支持してくれているという。ただし、上司からは「海兵隊の司令官が我々を呼びつけ、『おまえらのM27自動銃を何百丁とジェット機で引きずったり、ヘリコプターから投げ落としたり、戦車で轢いたりしてやったぞ。』と言わない限りだけども。」と言われたそうだ。
H&K社はこの件に関して、正式なコメントは出していない。
海兵隊もこの「からかい」に対しては気にも止めない態度を示している。「頼りになる銃で戦えるなら、何と言われようと気にしない。」といったところであろうか。