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アメリカ軍新型装甲車JLTVは「問題あり」

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国防総省ペンタゴンの報告によると、米軍の新型装甲車両「JLTV(Joint Light Tactical Vehicle,統合軽戦術車両)」は、整備性、信頼性及び車外の状況把握に問題があり、特にJLTVの重装甲型の車両については「任務達成のための有効性が認められない。」と評価されていることがわかった。

JLTV(統合軽戦術車両)は高い防護力を備えながらも機動性の高い戦闘車両として、脆弱なハンビーに取って代わるものと期待されてきた。
JLTVはMRAPと同等の防護力を持ちながら、MRAPの3分の2の車体重量、路外機動速度は70%アップしている。

JLTVは今年1月の中旬にフォート・スチュアートの第3歩兵師団第1機甲旅団戦闘団に初めて配備された。
しかし、最近国防総省が発表した報告書によると、多くの不具合が記録されているという。報告書は陸海空3軍を網羅しているが、陸軍のセクションでは24項目について評価と改善意見が付されている。

JLTVは座席構成が2種類あり、用途によって多用途車、特定用途車、重火器用車両、近接戦闘用車両4つの車種がある。
装備計画では陸軍に49099両、海兵隊に9091両、空軍に80両が納入される予定。

報告では全車種が「信頼性、整備性、訓練、マニュアル、車外の状況把握、安全性に不備があり、作戦での運用適性に問題がある。」としている。

特に近接戦闘用車両については、「ハンビーと比較してTOWミサイルの操作性が劣っており、戦闘や戦術的な任務に使用しても、任務を達成するための有効性が認められない。」と評価されている。

その理由として、
「TOWミサイルの次弾装填操作に時間がかかる上に、操作がしにくい。」
「他のJLTVよりも荷室が狭く、任務に必要な装備を積載することができない。」
「車両周辺に死角が多く、視界も狭い。」
との報告がなされている。

「扉が開かないことが多々あり、兵士たちが安全に乗下車することができない。」

「内部が非常に複雑な上に、教育もまだ不十分、マニュアルも整備されていないため、部隊では整備することができず、専門の整備業者に頼らざるを得ない。」

他にもエンジンの配線トラブルやタイヤのパンク、ブレーキ・システムの不備など、信頼性に疑問符の付く問題が見つかっている。ハンビーよりもメンテナンスの手間がかかる代物になってしまっているのだ。

トレーラーの牽引にも問題があるという。
「トレーラーはJLTV本体ほどの走行性がないので、トレーラーを牽引すると格段に前進速度が落ちる。陸軍はJLTVに随伴できるトレーラーを開発することに関心がなかったようだ。」と報告されている。

報告書では、JLTVの開発計画をこうした問題点への対処を重点に進めるよう求めている。