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トランプ大統領、非常事態宣言発令 壁の建設に国防予算も

アメリカのトランプ大統領は金曜日、メキシコ国境を巡る問題について国家非常事態宣言を発令した。これに基づき、不法移民の流入を防止するための国境の壁建設に国防予算約60億ドルと軍部隊を投入する。

トランプ大統領は国家非常事態法を適用して、軍の建設予算から36億ドルと国防総省の麻薬防止対策予算から25億ドルを壁建設費用に流用する狙いだ。

壁の建設費には80億ドルを見込んでおり、大統領は残り約20億ドルも他の予算から流用させる方針だ。

しかしながら、トランプ大統領の行動に対しては政治的・法的に対抗する動きがあるため、予算の執行が数カ月から数年遅れる可能性があり、軍部隊が壁の建設に取り掛かるかどうかは不透明だ。

トランプ大統領はこの数週間、議会の民主党との壁の建設予算についての話し合いがまとまらなかった場合は国家非常事態宣言を出すと警告してきた。

最近の米国内政治の停滞は、史上最長期間の連邦政府機関閉鎖となるまでに悪化している。この間、政府機関の25%が一時閉鎖され、80万人の職員と軍人が35日間に渡って自宅待機または無給での勤務を余儀なくされた。そこには4万2000名のコースト・ガード(沿岸警備隊)と15万人以上の退役軍人も含まれている。

国防総省の麻薬防止対策予算は年間に約10億ドルであり、警戒監視活動、国際支援、情報や技術関係及び国内対策などの幅広い麻薬対策に充てられている。例えばナショナル・ガード(州兵)が国境付近で実施している密輸監視活動もその一つだ。
今回、予算が転用されればこうした活動にも支障をきたすことが予想される。

軍の建設予算は世界中にに展開する陸海空及び海兵隊の基地や施設の建設のみならず、国内の軍の病院など、軍人の家族や地元住民の福利厚生に貢献するものもあり、これらに十分な予算が当たらないことが心配されている。

ホワイトハウスの当局は、転用する予算の項目や金額はまだ具体的に決まっておらず、「項目ごとに審査した上で、優先度の低いものから転用する」としており、「軍の行動を抑制したり、即応性を削ぐようなことはない」という。