ミリタリー・インフォ☆☆世界軍事情報☆☆

世界の軍事に関するニュースを速報紹介。紛争レポート、最新装備、タクティカルシューティングなどミリタリーマニアにオススメの情報盛りだくさんのニュースブログです。

3M社製イヤープラグに欠陥 退役軍人数百人が訴訟へ

f:id:mil-info:20190215205354j:plain
退役軍人数百人が、軍に欠陥品の耳栓を製造・納入した納入業者に対して訴訟を起こす予定だ。

この耳栓は十分に耳の穴を塞いでいないため、大きな音が耳に入ってしまう上に、装着している人が気が付かないうちに脱落してしまうものだった。

訴状によると、米ミネソタ州に本社を置く3M社は性能に欠陥のある耳栓を製造した上、使用者に欠陥があることを警告したり、正しい使用方法を説明することを怠った、としている。

問題の耳栓は3M社製「コンバット・アームズ・イヤープラグ」で、2003年から2015年の間、軍に納入された。

裁判はテキサス州の合衆国連邦地方裁判所で開始された。訴訟案件は約100件であり、2つの法律事務所が担当している。

担当の弁護士は、「3M社によって退役軍人たちが被った被害の大きさから考えると、これらは氷山の一角に過ぎない。3M社には全ての被害者に対して償う責任がある。」とのコメントを発表した。

3M社はこれまでに、耳栓が欠陥品であることを隠して国防輸送局に製品を納入したとことを認め、和解金として910万ドルを支払うことに合意している。これは合衆国連邦政府が虚偽請求取締法違反で3M社を告訴したものだ。
f:id:mil-info:20190215205406j:plain
この事件については和解が成立しているが、これは全てが解決したわけではない。アメリ法務省によると3M社の償うべき責任の範囲はまだ確定されていないという。
従って、今回退役軍人たちが3M社の「重過失」について懲罰的な損害賠償請求をすることも排除されてはいない。

訴状は、「2003年以来、3M社は『コンバット・アームズ・イヤープラグ』は耳を保護しながらも味方の号令や敵が近づいてくる音が聞こえると宣伝してきたが、実際我々は耳栓をつけていないも同然だったのだ。」としている。

3M社の社員たちは2000年の時点で製品に欠陥があることを認識していた。社内で行なわれたテストにおいて、製品が欠陥品であることが判明していたものの、会社はテスト結果を偽造し、製品が軍の規格に合格しているように装ったのだ。

訴訟を担当する弁護士は、「兵士たちが戦場で欠陥品を使うことになると分かっていながら、意図的に欠陥を隠して製品を納入した3M社は恥を知るべきだ。彼らの詐欺行為によってアメリカの兵士たちは重大な障害を負っている。3Mのこのような行為は到底許されるものではない。」と話した。

2006年、合衆国政府は3M社と年間15000パック(1パック50組入り)の耳栓を保証価格900万ドルで納入する契約を結んでいた。
製品は3M社が生産を打ち切る2015年まで納入されたが、製品の回収は行なわれず、現在でも兵士が使用している可能性がある。