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米陸軍が「ネット・グレネード弾」を開発中 ドローン対策で

敵のドローンに対してグレネード(擲弾)を射ったとしても効果は期待できないが、グレネード・ランチャー(擲弾発射機)は将来ドローン阻止の主役となるかもしれない。
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米陸軍は今週、「ネットを内蔵した擲弾型兵器」の特許を取得した。米軍の40mmグレネード・ランチャーで発射することができ、飛行する敵のドローンをネットで捕獲するものだ。

正式には「拡張効果式ネット弾頭」といい、安価な簡易型のドローンに対して、費用対効果の高い武器となると期待されている。

ロボットを破壊するのではなく、網で捕らえることには狙いがある。
網に絡めることによってドローンは飛行できなくなる上、ドローンを無傷で回収して内部のデータなどを分析し、敵の情報を収集することも期待できるからだ。
小銃でドローンを撃墜しようとすると、命中させるのも難しいし、味方に弾が当たってしまう恐れもある。もちろん、高性能な対空ミサイルを使えばドローンを撃墜することは可能だが、ドローンは安価で簡易的なものも大量生産されており、費用対効果からミサイルばかり使うわけにもいかない。それに銃もミサイルも命中すればドローンの電子回路を破壊し、せっかくの敵の情報まで木っ端微塵にしてしまう。

ネット・グレネードは指向性ジャマーを使うよりも簡単である。指向性ジャマーは携帯式のものもあるが、ドローンが飛行不能になるまで目標に向けて電波を発射し続ける必要があり、その間に敵がドローンを逃したり、自爆させる可能性もある。一方でネット・グレネードは狙って射つだけだ。
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ネット自体はドローン対策として普及している。今までも動物捕獲用の「ネット・ガン」がドローン対策用に転用されたり、ネットを取り付けたドローンで相手のドローンを捕獲する方法や、ネットガンを搭載したドローン、バズーカのようなネット発射機も開発されている。

これらのドローン対策では、習熟するのに特別な訓練が必要であった。特に我のドローンを操縦して、敵のドローンを撃墜する場合はそうであった。ネット・グレネードは兵士には馴染みのある40mmグレネード・ランチャーを使うので、特別な教育も必要なく、弾を装填し、狙って射つだけの非常に簡単なドローン対策だ。

この対ドローン用ネット・グレネード弾は、発射されドローンに近づくとセンサーが感知してネットを展開、ドローンを捕らえるようになっている。

特許の説明には、「試験の結果、この発明品の弾は40mmグレネード・ランチャーから発射することができ、無人飛行体を捕らえることに成功した。この発明品の効果は、無人飛行体に対して単にネットを発射するだけの従来の装置よりも遥かに優れている。」とある。

さらに説明では、ネット・グレネード弾は対ドローンだけでなく、ボート、船外機、走行または停止中の車両にも効果的であるとしている。ネット単体でも同じようなことができないわけではないであろうが、ネット・グレネード弾を使えば容易に可能になるのだ。

簡易なドローンを使って敵の簡易なドローンを阻止することができる可能性も出てきた。将来の戦場では、ドローンに対抗するのはネット発射装置になるのかもしれない。