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英国防大臣「『実力行使』の準備を」 ロシア・中国に対抗

イギリスのウィリアムソン国防大臣が、「ロシアと中国に対して『実力行使』の準備をしなければならない」と発言し、ロシアの怒りを買っている。ロシアはこの発言を「現実離れしている」とし、大臣が国防予算を獲得するためのパフォーマンスに過ぎないとしている。
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ウィリアムソン国防大臣は月曜日、ロンドンの王立安全保障研究所でのスピーチにおいて、「英国は軍の攻撃力を強化する必要がある。そして国益を守るため、ロシアや中国に対して『実力を行使できる』準備をしなければならない。」と発言した。

このスピーチで大臣は、ロシアがソ連崩壊以来閉鎖されていた兵器工場を復活させ、周辺のジョージアウクライナをかつてのソ連時代のように自らの「衛星国」にしようと企んでいる、と非難した。

大臣はまた中国に対しても触れ、スピーチの聴衆に警告を発した。

「中国の軍の近代化と強大な経済力は顕著だ。我々は敵対的な振る舞いの代償が高く付くことを思い知らせ、反撃に出る力を強化すべく準備しなければならない。」

このためイギリス政府は、英海軍最大の空母「クイーン・エリザベス」を南シナ海へ派遣し、アメリカが主導する「航行の自由」作戦を支援する用意があることを明らかにした。

イギリス駐在のロシア大使館は、ウィリアムソン国防大臣の発言に対して、「まったく根拠のないこと」とし、「英国の軍事的野心には不安を覚える」とコメントした。

ロシア大使館はコメントで、「 国内外に難問山積のイギリス政府にとって、いわゆる『ロシアの脅威』を騒ぎ立てて国民を脅かすことは、イギリス政府にとって都合のいいことであるのは確かだ。」
「それとは別に、大臣の発言には別の目的が感じられる。ロシアを『侵略者』と決めつけることで、イギリスの軍事産業に金を注ぎ込ませるつもりではないか。」

42歳のウィリアムソン大臣は、かつての英国のように軍事力を背景に国際的影響力を行使できる国を作ろうと活動しており、その過激な発言はしばしば問題となっている。昨年9月にも、北極に部隊を送る計画についてコメントした際に北極を「(英国の)裏庭」と発言して問題となった。

昨年末には、大臣は極東地域とカリブ海に軍事拠点を設ける計画を発表した。EUを離脱した後の英国が「真のグローバル・プレーヤー」となるために必要であるという。

イギリスの2重スパイであったスクリパル氏が毒殺された事件を巡ってイギリスとロシアの関係が緊張した際にも、ウィリアムソン大臣はロシア政府に対して「出しゃばるな。」と極めて激しい口調で弾劾していた。