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ロシア軍が核兵器搭載可能な改良型爆撃機をロールアウト

軍事技術の進歩というものは、時には一つのアイディアがひらめいたことをきっかけに一気に推進されるものであるが、爆撃機についてはロシアはいまだに冷戦時代の爆撃機を高く評価し、1980年代のように巡航ミサイルによって海軍の艦船を制圧することができると考えていたようだ。しかし今回、米空軍のB-1Bランサーの廉価版とも言えるTU-22M3バックファイアは21世紀の戦いに向けて「M3M」として改修されることとなった。TU-22シリーズとしては最終形とも言える改修だろう。
・TU-22M3Mバックファイアは高度45000フィートで飛行が可能、最高速度はマッハ1.4、航続距離は3000マイル。通信や武器システムは同じだが、ナビゲーション・システムが改善され、TU-160M2ブラックジャックとの連携が可能。新しいナビゲーション・システムはロシア独自の測位システムであるGLONASSを使用しており、ナビゲーションとミサイル誘導においてアメリカのGPSシステムを使用する必要がなくなった。
・TU-22M3Mは1000km以上離れた位置から敵艦船を攻撃できるKh-32巡航ミサイルを発射可能である。従来のKh-22巡航ミサイルが射程600kmに比べて格段に向上している。
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・武器システムの改良で最も脅威となるのが、核弾頭が搭載可能なKh-15空中発射弾道ミサイルを装備したことだ。これによって同機は戦略爆撃機となり、ロシアの核戦略に選択肢が増えたことになる。
・さらに7月には、TU-22M3MはMiG-31とともに姿を現したが、この時には音速で飛翔するKh-47キンザル・ミサイルを搭載しており、米国及び中国のライバルとなりそうだ。ロシア宇宙軍のボンダレフ司令官は、TU-22M3MがKh-32精密誘導巡航ミサイルと音速ミサイルの両方を搭載可能であることを認めている。
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バックファイア爆撃機は、30年に渡って近接航空支援の要であった。1980年代のアフガニスタン、90年代のチェチェン紛争、2008年のグルジア紛争、そして最近ではシリアにおいて航空支援任務に就き、アサド政権を支えてきた。TU-22のM3M型への改修は、1990年代以降のロシア軍近代化を象徴する者と言える。