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女性クルーのみで初の戦場輸送任務 C-130

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2005年の9月26日、イラクにおいて1機のC-130ハーキュリーズ輸送機が151名の海兵隊員や装備の輸送任務を遂行した。
クルーたちにとっては荷物を中東へ運ぶだけの、ごく普通のいつもの任務に過ぎなかったが、これは史上初めてクルー全員が女性のみで編成された輸送機が戦場輸送任務を行った、記念すべきものであった。
「正直に言えば、女性クルーのみで編成されたC-130輸送機が2005年まで戦場に出られなかったことには残念に思っています。」と第310航空輸送団のキャロル・ミシェル中佐は語る。ミシェル中佐は当時大尉で、このフライトの指揮官であったという。
同中佐は第386航空遠征部隊として行われた歴史的な任務を振り返って、「私達はただいつもの任務をこなしただけと思っています。だからあの日もいつもと違うことなど何もありませんでした。」
さらに、「当時から女性のみのクルーだからといって特別に見られたくないと思っていました。今も特別視されることがあるのは残念です。男性クルーと同様に認めてもらうためには、女性でもできるのだということをやってみせるしかないとおもっています。」
当時のクルーはミシェル大尉以下6名で、全員がノースカロライナ州ポープ空軍基地の第43航空輸送団の所属であった。
2005年当時ミシェル中佐は、わざわざ女性ばかりを選び出してクルーを編成することに疑問を感じていた。
「女性クルーばかりで任務に就くのも楽しかったのですが、これからさらに女性のみのクルーが活躍できるようにするべきだとは思いませんでした。」
「男性だけの職場に、長い年月をかけて女性がやっと軍用機のクルーとして認められるようになったのに、ここで女性ばかりで集まってしまっては、時代にむしろ逆行していると思ったのです。そうではなく、これからは男性に混じって女性が活躍する時代なのです。」



女性隊員を特別扱いしないで欲しい、という彼女の思いは13年の時を経て徐々に共感を広げている。
「あの時、食料や弾薬を必要な場所に時間通りに届けるという、一番大事な任務を達成することができて本当に良かった。」と当時大尉だったマック中佐は言う。
「私達の任務は戦場の最前線にいる兵士たちにとって非常に重要なのです。作戦に必要な補給品を届けたり、彼らを家に連れて帰ったりするからです。私達は彼ら兵士たちから頼りにされているのだと思うと、ベストな仕事をしなければならないという責任感が心の底から湧いてくるのです。」
彼女たちはイラクだけでなくアフガニスタンソマリアでも戦場輸送任務に就いている。
マック中佐は、軍人には性別は関係なく、積み重ねた経験とその評価こそが軍歴である、として
「あのクルーのメンバーであったことは特別なことかもしれない。しかし当時の私は空軍の女性隊員としてではなく、クルーの士官として、またナビゲーターとしてベストを尽くすことだけを考えていたのです。」
当時フライト・エンジニアとして任務に就き、今は看護師として働くハーシュ元空軍曹長は、いつか女性がクルーとして勤務することが当たり前になると期待している。
「女性が軍の中で性別に関係なく公平に扱われるためには、女性であることを強調して特別視するべきではありません。」



空軍が積極的に女性を活用しようとする中で、ミシェル中佐は軍全体が女性の意見にも耳を傾けるべきだと語る。
「軍は社会や若者に対して、女性が軍に勤務することにおいてもはや如何なる障害もないことをもっと説明するべきだ。女性だって志願すれば軍用機のパイロットにもなれるのだから。」
「勇敢でパイオニア精神に溢れた先輩の女性隊員たちが献身的な努力をして、私達のために障害を取り除いてくれたのです。偉大な先輩たちが作ってくれたチャンスを無駄にしてはならないと思います。」