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ニジェールでISIS戦闘員11名殺害 伏撃事件から2ヶ月

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アメリカ軍と同盟国軍は、アフリカのニジェールでの戦闘でイスラム国(IS)の戦闘員11名を殺害した。グリンベレー隊員らが殺害された伏撃事件から2ヶ月が経過している。
米アフリカ軍司令部が木曜に発表したところによると、米軍とニジェール国軍からなる部隊がチャド湖付近で行動中、過激主義者のグループから射撃を受けた。部隊は地元民が自らイスラム国系の過激主義者と戦うための支援を行うことを任務としていた。任務は十分な情報収集の上で行われており、今回の襲撃を行ったのはISIS西アフリカ支部の戦闘員とみているという。
米軍とニジェール軍に損害はなかった。自爆ベストを着用した戦闘員2名を殺害、敵が貯蔵していた武器を押収、破壊した。
ニューヨーク・タイムズが米政府の文書を入手して伏撃事件の様相を報道し、米軍兵士の安全確保の必要性を訴えて以降、米軍の任務は軽減されるようになった。特殊部隊は何年間もニジェールや西アフリカで隠密理に活動してきたが、それは危険と隣り合わせであった。グリンベレー隊員4名が戦死した10月4日の事件の後に、ある特殊部隊関係者が証言したところによると、西アフリカの任務では戦闘は日常茶飯事で非常に危険であったが、全て秘密にされてきたという。
「非常に危険な任務だった。状況はアフガンやイラク、シリアと変わらないくらい危険なのに、権限も装備も何もかもが限られていたからだ。」



このような状況を考慮して、米国防総省ペンタゴンは今月初めにニジェールに展開する米軍兵士に対して危険手当を支払うことを決定した。
ニジェールでの米アフリカ軍の活動はこれまであまり注目されてこなかった。同地には現在約800名が活動しており、その多くはニジェールにドローンの基地を建設する支援をする任務についている。残りは特殊部隊の隊員であり、その任務はニジェール軍と合同でパトロールを実施し、数多くの戦闘を行っている。
ニジェールの南西ではボコ・ハラムが越境攻撃を行っているが、米アフリカ軍によると最も勢力が強いのは「西アフリカのISIS」だという。同グループはイスラム国に共鳴する過激主義者が2016年にボコ・ハラムから分かれて結成したものだ。
しかしながら、このような組織がアメリカにとって脅威となるかは疑問が残る。確かに西洋を敵対視してはいるが、その不満や野心はローカルなものだからだ。
米アフリカ軍のワルトハウザー将軍は、ニジェールの過激主義者たちがアメリカにとって脅威となるとは考えていないとしながらも、それがいつ脅威に転じるかはわからないと言う。
「現在のところ、彼らにはアメリカ国内で作戦を展開する能力はないと判断しているが、その意思があることは間違いない。彼らにそういった作戦能力を持たせないことが重要だ」
昨年の12月に起こった戦闘では、米軍は許された権限の中で慎重に行動していたという。アフリカ軍は「敵の戦闘員を追跡することが任務の目的ではなかったし、もし敵と交戦しても各職種の部隊がすぐに支援してくれる態勢が整っていたからだ。我が軍は非常に不安定な状況下で活動していて、ときには敵と交戦することが起こり得る。もし交戦となった場合には、各人は自身を守るために適切に対応する権限を与えられている。」としている。