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レポート;バンプストック!なぜ連射できる?合法の理由とは?

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昨年10月のラスベガス乱射事件を受けて、銃規制推進派を始め市民の関心がバンプストックの禁止法案に集まっている。バンプストックという、今まであまり注目されてこなかった強力な武器とはいかなるものなのだろうか。

バンプストックとは」

バンプストックは、AR-15やAK-47などのセミ・オートマティック銃の通常の銃床(ストック)の替わりに取り付ける装置で、現在のところ一部地域を除いて合法的に購入できる。

引き金を引き続ける間、弾を発射し続けるフル・オートマティック銃と異なり、セミ・オートマティック銃は引き金を一回引くと弾は一発だけ発射される。バンプストックはセミ・オートマティック銃が弾を発射したときの反動を利用して、銃が射手の肩と引き金を引く指の間を前後に動くようにしているのである。つまり、銃が後退すると指が離れて引き金が元に戻り、前進してくると引き金が指にぶつかって撃発されるという仕組みである。

射手の指で一回ずつ引き金を引いて撃っていることには変わりはないので、たとえフル・オートマティック並の速い連射ができようとも、これはセミ・オートマティック銃であって違法なフル・オートマティック銃ではないという理屈になる。

バンプストックは大きく2つの部品からできている。グリップの代わりになる部分と銃床に取り付ける部分だ。後者は銃床のバッファー・チューブの形に合うようにくぼんでいる。
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「いつ、どのようにして作られたのか」

バンプストックは比較的新しい製品で、合法的な部品として2010年に連邦政府の承認を受けている。

バンプストックを主に製造しているSlide Fire社の創業者は以前、「バンプストックはフル・オートマティックの射撃をまねるために作ったもので、遊びを目的とした製品」と話していた。「ある日、私は友人と射撃をして遊んでいたとき、速く連射してみようとしたが思うようにはできなかった。私達にはフル・オートマティック銃を買う余裕もなかったので、安く簡単に連射を楽しむ方法はないかと考えたのがバンプストックです」

Slide Fire社は2010年にインターネット通販でバンプストックの販売を開始したが、これが大ヒットした。同社の今までの年間売上高をたった一週間で売り上げたほどだという。

発売前に、同社は米アルコール・タバコ・火器取締局(ATF)の武器部門に伺いを立てている。その際、同社はバンプストックが「体が不自由な人のための商品」と説明していた。当局によると、同社が提出した書類には商品の使用目的として「手が不自由な人がAR-15のような銃を連射できるように援助するため」と書いている。さらに、「バンプストックには自動で動く機械装置もスプリングも使用していない、銃床の交換部品に過ぎません。射手は指で引き金を引き続け、もう一方の手で銃を前方に押し続けなければ射撃することができません。つまり、バンプストックは一個の単なる部品であって、銃規制法でいう『武器』にはあたらないと考えます」としていた。

なぜバンプストックが承認を受けることができたのか、という問に対して当局は「バンプストックはライフルの内部機構を変えるわけでもなく、銃をフル・オートマティック銃に改造するわけでもない。フル・オートマティック銃のように連射しているといっても、自動的な機構が働いているわけでもなく、現行法下では合法といわざるを得ない」と答えている。

「ラスベガス事件後の動き」

議会はすでにバンプストックの販売を禁止する法案を議論している。今までの銃規制法案に対する動きとは異なり、今回は議会の超党派で取り組まれている。有力議員は「セミ・オートマティック銃をフル・オートマティック銃のように撃てる部品などは、一般の銃所有者には必要ないものだ」と語る。
全米ライフル協会(NRA)もまたバンプストックの規制を主張し、連邦政府としてATFによる規制検討を要求している。

一方でバンプストックが禁止になるのではと心配した愛好家たちはバンプストックの買いだめに走っている。事件が起こるたびに繰り返される現象だ。ラスベガスの事件後、すでに多くの販売店でバンプストックは品切れになっているという。

Slide Fire社はすでに新規の受注を終了しているが、「既に注文があった分については顧客のために最高の商品を提供する」とのことである。