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日光浴中の水兵も 米露艦艇が異常接近

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アメリカ海軍は、フィリピン海で発生した米露海軍艦艇の異常接近事案の模様を撮影したビデオ映像を公開した。アメリカ海軍のミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」とロシア海軍駆逐艦が異常接近をする中で映っていたのは、上半身裸になり日光浴をしているロシアの水兵たちであった。
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アメリカ海軍が金曜日に公開した映像は2本あり、合計で約3分間。この映像を証拠に、アメリカ海軍第7艦隊ロシア海軍のウダロイ級駆逐艦「アドミラル・ビノグラドフ」が「危険な操艦」を行い、「チャンセラーズビル」が全速後進によってこれを回避したとしている。

1本目の映像では、両艦が危険な距離にまで接近していく中、上半身裸のロシア水兵たちが船尾で日光浴をしている様子が映っている。米海軍によるとロシアの艦艇は50〜100フィートの距離にまで接近しており、艦や乗組員は非常に危険な状態であったという。

「この危険な操艦を回避するため、チャンセラーズビルはすぐさま全速後進をかけ、何とか衝突を避けることができた。」と第7艦隊は発表している。

米海軍作戦部長ジョン・リチャードソン提督は、
「ロシア駆逐艦の艦長の取った行動は無責任で無謀だ。海空におけるこのような非常識な行動は、大国としてロシアが求められる責任と信頼を損なうものだ。」と非難した上で、
「我が海軍はこれからも国際法に基づいて海上航行と空域使用の自由を守っていくことに変わりはない。」と述べた。

事件当時、米巡洋艦はヘリコプターの着艦のため一定の針路と速度で航行していた。そこへロシアの駆逐艦が後方から右舷へと速度を上げて接近し、艦の側面に衝突する寸前まで近づいてきたという。

実はロシア軍が米軍に対してこのような事案を起こしたのはこの3日間で2回目だ。火曜日には地中海上の国際空域で米海軍のP-8ポセイドン哨戒機がロシア軍のスホーイSu-35戦闘機に3度に渡って進路を妨害されている。ロシア機が異常接近し、非常に危険な状況であったという。

「チャンセラーズビル」の事案について米第7艦隊は、
「ロシア軍の行動は危険でプロフェッショナルらしくなく、『海上における衝突の予防のための国際規則』及び海上航行における国際慣習に違反した行為だ。」
と非難している。

これに対してロシア太平洋艦隊は、「突然に針路を変更して接近してきたのは、米艦の方だ。」として全く反対の主張をしている。

米陸軍、次期分隊火器に顔認識装置搭載

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米陸軍兵器当局は、次世代分隊火器に風センサーや顔認識装置を搭載した先進射撃統制システムのプロトタイプ製作に着手した。国防産業各社から設計を募集する。

試作品仕様書によると次世代分隊火器は「CQBに対応する性能を保ちつつ、射距離600m以遠の人員目標に対する即時交戦能力を向上させる」ことが目標であるという。

陸軍はプロトタイプの設計案2つを選定して5年間の契約を結び、115セットの次世代分隊火器システムを発注する計画だ。調達した試作品は14ヶ月をかけてテストにかけられる。

陸軍の次世代分隊火器開発計画は6.8mm弾を使用する2種類のウェポン・システムからなっており、M249SAW及びM4カービンに取って代わるものだ。

新しいウェポン・システムはそれぞれ先進的な射撃統制装置を装備する計画で、以下のような性能が求められている;

・射距離、環境条件、火器及び弾薬の弾道特性に応じて調整が可能な照準装置
・軍のソフトウェア上で運用可能な弾道計算機
・射距離や気温など射撃の統制に必要な情報を送受信できる無線通信装置
・ソフトウェアのアップデート時に使用する有線ポート
・AA,CR123,CR2032などの一般的な電池を使用し、電源を入れてから1秒以内に起動すること。

陸軍はさらに以下のような性能をもった試作品を開発していく計画だ;

・自動目標認識、目標追跡、顔識別といったカメラ映像を使った先進的能力
・戦闘地域の風のデータ、射撃位置の風データの計測など風を考慮した射撃装置
・摩耗に強いレンズや汗を弾いてクリーニングの手間が少ない疎水性レンズなどの高耐久化

搭載される射撃統制装置はIVAS(Integrated Visual Augmentation System:統合視覚拡張システム)に対応するように製作される。IVASはマイクロソフト社が陸軍のために開発中のシステムだ。

IVASは従来のヘッドアップ・ディスプレイ3.0に代わるシステムで、兵士が装着したゴーグルまたはアイ・ピース上に照準や戦闘に必要な情報が表示される。

昨年、陸軍は次世代分隊火器計画を始動した。この計画にはテクストロン社、ジェネラル・ダイナミクス社、PCPタクティカル社、シグ・サワー社、FNアメリカ社が試作品の製作に参加している。

メキシコ国境付近で米海兵隊員が発砲

アメリカ軍当局によると、カリフォルニア州のメキシコ国境付近において、海兵隊員が任務遂行中に銃を発砲した。隊員は車両の中で何者か3人から襲われたために発砲したと報告しているという。

国境付近の警備を担当するアメリカ北方軍は、海兵隊員が発砲したことは事実と認めながらも、事件の詳細は調査中としている。

戦犯容疑のシールズ隊員が釈放 裁判は休廷

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イスラム国戦闘員の捕虜を殺害したとして勾留されていたシールズ隊員が木曜日に釈放されたことを受けて、同隊員の弁護士は裁判所に対し、検察側の訴えを却下して裁判を終わらせるよう再び求める方針。

軍事法廷エドワード・ギャラガー特殊作戦部隊隊長を釈放する決定を行った。意外な展開に法廷では驚きの声が上がったという。

軍事法廷の判事であるアーロン・ルー大尉によると、釈放の理由は、検察側がギャラガー氏を勾留することによって、合衆国憲法修正第6条に定められた権利(誰もが陪審員による裁判を受けることができる権利)を妨害しているためだという。

ギャラガー氏の弁護士は、検察は機密情報が漏洩することを非常に恐れており、弁護側の弁護士や記者に送ったEメールにはトラッキング・コードが埋め込まれているとして、検察を強く非難している。

米海兵隊「市街地戦闘指揮官課程(ULC)」 女性隊員初の修了者は日系人?

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海兵隊の女性ライフルマンがまた新たな活躍の場を勝ち取った。一人の女性海兵隊員が初めて市街地戦闘指揮官課程(Urban Leaders Course)を修了したのだ。

第4海兵連隊第2大隊所属のオータム・タニグチ兵長は5月3日、市街地戦闘におけるチームリーダーを養成する3週間にわたる教育を修了した。

タニグチ兵長は、
「厳しい教育でした。簡単には行かないことは分かっていましたが、厳しい訓練であったからこそ、自分の限界に挑戦することができました。」
と話す。

今回の市街地戦闘指揮官課程は、カリフォルニア州キャンプ・ペンドルトンの第1海兵師団が実施したものだ。内容はルーム・クリアリング、至近距離射撃(CQB)及び戦闘射撃などで、学生は実弾を用いた実戦的な訓練を通じて、市街地戦闘におけるチームリーダーとしての指揮を習得する。

海兵隊の歩兵部隊に女性隊員が配属されるようになっても、同課程の教育内容や到達基準は一切変更されておらず、海兵隊広報は「性別に関わらず、この課程を修了した者は任務を完遂できる能力を有する。」としている。

タニグチ兵長がこの課程を修了したことよって、海兵隊の女性隊員は強く勇気づけられたはずだと、同課程主任教官のケン・リック2等軍曹は言う。

「女性隊員は男性隊員に受け入れてもらおうとする必要はなく、男性と同じようにできることを明確に示すことが大事なのです。」

タニグチ兵長は、学生が全員卒業できるように同期に勉強を教えるなどして、教官たちからの信頼も厚かったという。教官のリック軍曹によると、学生たちは市街地戦闘の戦術や戦闘の様相などにばかり関心が高くなりがちであるが、この課程で重要なことは、学生が創造的な思考を習得することだという。

「こうすれば任務を完遂できる、といったノウハウを教えることはありません。我々は海兵隊員です。いかなる任務も何とかして完遂するのが海兵隊員なのです。」

タニグチ兵長は女性の海兵隊員初の修了者となったにも関わらず、自分が他の女性隊員にさきがけているとは思っていないという。なぜなら、彼女が同課程に志願したのは「特別なことではなかった。」からだ。

「私はただ歩兵部隊の一員になりたいという一心で参加しただけですから。」

サウジがドローン攻撃でイランを非難 アメリカに空爆を要求

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サウジアラビアは木曜日、ドローン攻撃によってサウジの重要なパイプラインを破壊したイエメンの反政府勢力をイランが支援しているとして非難した。サウジの政府系の新聞は、「アメリカがイランを空爆し、イランの孤立化をさらに強化すべきだ」と論評した。

イランが支援しているとされる武装勢力に対抗するため、米国がペルシャ湾岸地域に海軍艦艇や爆撃機を派遣して以来、地域の緊張は広がりをみせている。日曜日にはアラブ首長国連邦UAE)の沿岸地域で、石油タンカー4隻が攻撃を受け、火曜日にはドローン攻撃によってサウジのパイプラインが破壊された。攻撃を行ったのは、イランの支援を受けたイスラム教フーシ派の武装勢力とされている。

この危機的状況の原因は、昨年アメリカのトランプ大統領が、2015年のイランとの各合意から離脱し、厳しい経済制裁を再開してイラン経済を苦しめているためだ。

サウジアラビアの副国防大臣カリド・ビン・サルマン王子はツイッターを投稿して、ドローン攻撃はサウジ・アラムコ社のポンプ施設2基に対して行われたとして、

「彼ら過激派は、イランの覇権主義を宣伝するための道具にしか過ぎない。」

とつぶやいた。

サウジの政府系新聞はさらに厳しい論調の社説を発表し、「アメリカがイランへ空爆し、報復を行うべきだ」と主張している。
イランは、フーシ派に弾道ミサイル技術や武器を供給しているとしてアメリカや国連から非難を浴びているが、イランはこれを否定している。

アラブ・ニュース紙は社説で、「米国の制裁が効いていないことは明らかだ」として、攻撃目標を限定することなく「徹底的に攻撃しなければならない。」と述べている。

サウジ主導の連合軍は、イエメン・サヌアのフーシ派武装組織に対して空爆を実施した。イエメンの保健省によれば、子供4人を含む6人が死亡、40人以上が負傷したという。

同連合軍は2015年からフーシ派との戦闘を続けており、毎日のように空爆が行われている。今回のサウジのパイプラインを破壊したドローン攻撃は、フーシ派にとってこれまでで最も大きな戦果となった。

日本を訪問しているイランのザイフ外相は木曜日、イランには米国の「受け入れがたい」制裁に対抗する権利があるとしながらも、「できる限りの自制」をしている、と語った。

またイランは最近、核合意が7月7日までに妥結しなければ、ウランの濃縮を再開すると主張している。その結果、イランは核兵器を開発する可能性が非常に高い。

アメリカの国務省は今週、滞在する必要性の低い職員に対して、イラクから出国するよう命令を出した。またドイツとオランダはイラン情勢の緊張の高まりを理由に、イラクに対する軍事援助活動を中止している。

外交職員の出国は戦時にしばしば行われることであるが、今回なぜ米政府が出国命令を出したかのか、理由は明らかになっていない。イラクには有力な親イラン武装勢力があるが、米軍も5000名程度が駐屯している。米中央軍は厳戒態勢を取っている。

フランス特殊部隊人質救出作戦続報 ブルキナ・ファソ 「非常に複雑な作戦だった」

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フランス軍が金曜日に発表したところによると、アフリカのブルキナ・ファソにおいて人質救出作戦を実施、武装集団に拘束されていたフランス人2人を含む4人を無事に救出した。作戦は成功したが、特殊部隊員2名が戦死した。

フランス軍は4日間に渡ってブルキナ・ファソ東部で武装集団を追跡、救出作戦は夜間に実施された。

フランス陸軍のフランソワ・ルコントル参謀長が会見したところによると、当初は武装集団は人質を連れて隣国マリに向かって北西に移動したものとされていたが、ブルキナ・ファソ国内でメンバー6名が潜伏している情報を得て、5月7日に特殊部隊の作戦開始が決定されたという。

この武装集団はアフリカの複数の国を移動して活動していたため、フランス軍武装集団を捉え、介入する機会を注意深く窺っていた。これにはフランス軍のみならず、アメリカ軍のドローン(無人機)による情報収集が威力を発揮したという。

作戦には戦闘衛生の専門家チームがパリから派遣され、救出作戦の開始に備えた。

同参謀長は、
「非常に複雑かつ困難な作戦だった。」
と述べた。

フランス軍の首脳部は、武装集団が木曜日の夜にブルキナ・ファソ北部に留まっている間に救出しなければ、人質たちがマリに連行されイスラム過激派組織に引き渡されてしまうと判断した。

パーリ国防大臣は、
ブルキナ・ファソ国内で人質を救出するには、あの時しかなかった。人質がマリに連れて行かれてしまったら、救出作戦の実施は非常に困難になるからだ。」
「作戦は直ちに実施しなければならなかった。判断は正しかったと信じている。」
と語った。

フランスのマクロン大統領は、当時ヨーロッパ首脳との会合のためルーマニアに滞在していたが、救出作戦実施の報告を受けるとすぐに作戦を許可した。ブルキナ・ファソとフランスは最近、軍事協力について合意したばかりであった。

ゴーサインが出ると、約20名からなるフランス軍特殊部隊の人質救出チームは、武装集団のキャンプから離れた地点にヘリコプターから夜間降下を開始した。
チームは闇に紛れて隠密に敵のキャンプに接近、敵の警戒員をやり過ごし、人質が拘束されていると思われる4つの掩蔽壕まで数メートルの位置まで前進した。

「特殊部隊員達は、一発も撃つことなく掩蔽壕の中へ入っていった。」
と参謀長は話す。
高度な訓練を積んだ特殊部隊員でさえ、人質を無傷で救出することは非常に困難であるという。

この時、敵の射撃を受けてフランス軍特殊部隊員2名が戦死した。
武装集団の6名のうち4名を射殺、2名が逃走した。

救出に際して、予想外の事実が判明した。人質はフランス人男性2人だけではなかったのだ。そこにはアメリカ人と韓国人のいずれも女性2人も拘束されていたのだった。

パーリ国防相は、
「その2人がいることは全く想定していなかった。2人は28日間も拘束されていたことになる。」
と述べ、フランスは2人についてわずかながらの情報を得ていたことを明らかにし、
「米国及び韓国に連絡をとったところ、両国とも2人がブルキナ・ファソにいることは知らなかったようだ。」
と述べた。
救出された人質4人は、現在安全な場所で保護されているという。

防相ベナンブルキナ・ファソに対してこの「複雑な作戦」に対する支援を感謝するとともに、米国の情報協力にも感謝の意を示した。

人質となったフランス人男性2人は、2週間の予定でブルキナ・ファソを訪れていた。旅行の最後の行程としてパンジャーリ国立公園へガイドと共に向かう途中で武装集団に拉致された。

パンジャーリ国立公園は象やライオンなどの野生動物が多くいることで有名であるが、隣国ベナンとの国境地帯に位置しており、イスラム系の武装集団が越境攻撃を繰り返している場所でもある。

2人はサファリ地帯を観光して、その晩にロッジに戻る予定であったが、帰ってこなかった。

その3日後、国境を超えた場所で、黒焦げになった彼らのジープとともに虐殺されたガイドの遺体が発見された。

米国政府は金曜日、アメリカ人を含む人質の救出についてフランスに謝意を伝えると共に、戦死した特殊部隊員2名の遺族に対して哀悼の意を示した。