ミリタリー・インフォ☆☆世界軍事情報☆☆

世界の軍事に関するニュースを速報紹介。紛争レポート、最新装備、タクティカルシューティングなどミリタリーマニアにオススメの情報盛りだくさんのニュースブログです。

NATO ロシアへの対抗策を決定

f:id:mil-info:20190406000245j:plain
NATO外相会議は、黒海におけるロシアの動きに備えるための対応を決定した。NATOは一部の加盟国とアメリカとの関係が悪化している中で合意となったものだ。

ワシントンで開催された会議では、ジョージアウクライナとの軍事協力を深化させ、パトロールや艦艇の相互訪問を実施していくことで合意した。ジョージアウクライナはロシアの軍事的圧迫にさらされており、NATOへの加入を要望している。

NATOはまた、ロシアに対し編入したクリミアからの撤退や昨年拿捕したウクライナ海軍艦艇及び水兵の解放、INF(中距離核戦力全廃条約)の遵守を求めることを決議した。米国はロシアが条約を守らない場合は、同条約から離脱することをすでに表明している。

トルコがロシアの防空システムの購入を計画していることを巡って米国とトルコは対立を深めている一方で、米国はNATO諸国、特にドイツに対して国防予算の増額を求めている。

マイク・ポンペオ米国務長官NATO諸国に対して、ロシア、中国、イランといった「軍事大国」に対して共に立ち向かおう、と訴えた。ポンペオ長官は冷戦時代にNATO旧ソ連を核によって抑止したことを評価し、NATOが新たな問題に対しても力を発揮することへ期待を示した。

「我々はNATOの軍事力によって平和を維持してきた。ロシア、中国、イランなどの新たな脅威に対してもそうしなければならない。」

ポンペオ長官はさらに、対テロ戦争、サイバー犯罪、不法移民、エネルギーの安全の問題などを例示し、これらについてもNATOとの協力の必要性を訴えた。この際、中国の通信技術を利用する国とは情報協力をしないことも付け加えた。

米陸軍新型ヘルメットIHPS 防護力向上、レイルを標準装備

f:id:mil-info:20190404023035j:plain
米陸軍は新型の戦闘用ヘルメットの支給を開始する。新型ヘルメットは防護力がさらに向上し、頭部への致命傷を防止する。

すでにフォート・ブラッグの第82空挺師団では、近接戦闘部隊に対して現用の強化型戦闘ヘルメット(ECH)に代わって新型の「統合頭部保護システム(Integrated Head Protection System;IHPS)」の支給が開始されている。

また第3旅団戦闘団には、新型ヘルメットIHPSとともに隊員防護システムを構成するモジュラー拡張式ベストや下腹部用防爆プロテクターも併せて支給される予定だ。
f:id:mil-info:20190404023053j:plain
新型ヘルメットは米国3M社系列のセラダイン社製で、小銃弾に対する防護力は従来のECHと変わらないが、衝撃への防護力はECHの2倍となっており、兵士の頭部へのダメージが格段に抑えられるという。

IHPSヘルメットはネジを使わない加工が施されており、あご紐を取り付ける部分にも穴が空いていない。唯一の穴は、暗視装置のマウントを取り付けるための穴一つだけである。穴の数が減ったためにヘルメットの強度を向上させつつ、余計なフチなどを廃止することができた結果、ヘルメット内部に通信機のヘッドセットを組み込むことが可能となっている。

IHPSヘルメットはECHに比較して大きさは
一回り大きく、頭部をよりカバーすることができるが、重さはわずかに軽くなっている。

さらにオプションとしてバイザー、顎を保護するプロテクター、ヘルメットの防護力を強化する防弾レイヤーなどがある。

北朝鮮のミサイル基地再建は「ほぼ完了」

f:id:mil-info:20190331022523j:plain
韓国の議員が金曜日、韓国情報当局との会合を終えて明かしたところによると、北朝鮮が閉鎖を約束していた長距離ミサイルの発射基地の再建がほぼ完了していることがわかった。

北朝鮮は一ヶ月前、金正恩委員長とアメリカのトランプ大統領が2回目の首脳会談を開いたが、非核化の方法について折り合いがつかず、何らの合意もなく物別れに終わっている。

ハノイでの首脳会談が終わって間もなく、北朝鮮西海衛星発射場における動きが活発化している衛星写真が多数確認され、北朝鮮が再び長距離ミサイルまたは大陸間弾道弾を発射するのではないかということが危惧されている。

韓国のキム・ミンキ議員は、韓国情報当局との会合に参加後、記者に対し、
「北は2月の米朝首脳会談の前から、昨年7月に一部を解体した発射基地の再建を開始していた。再建工事はほぼ完了し、最近は所要の整備作業をしているところが確認できている。」と述べた。

北朝鮮は国連から人工衛星の打ち上げを禁止されている。大陸間弾道弾(ICBM)の開発に利用させないためだ。

しかし今月の初め、ワシントンの戦略国際問題研究所CSIS)は、「西海衛星発射場において何らかの意図をもった活動が確認されている。」と発表している。
韓国情報当局の分析結果は、昨年の南北首脳会談でなされた西海衛星発射場の閉鎖についての合意を覆すものだ。

専門家は北朝鮮が再び何かを発射すれば、滞っている非核化の交渉は大混乱に陥る、と指摘している。

韓国の安全保障担当特別大統領特別補佐官である文正仁氏は、北朝鮮が挑発的な行動をとれば、「和平は壊滅的な事態になる。」と述べている。
北朝鮮は現在も寧辺のウラン濃縮施設も可動させているという。

ハノイでの米朝首脳会談が終わった後、両国は互いに交渉の行き詰まりの責任をなすりつけあっている。

北朝鮮経済制裁の緩和と引き換えに寧辺の各関連施設を閉鎖することを提案したと主張しているが、米国は寧辺の施設のどこが対象になっているのかを北朝鮮が明確にしないため、受け入れることはできないとしている。

ISIS、シリアからCISへ進出の恐れ ロシア内務省発表

f:id:mil-info:20190330232427j:plain
ロシア内務省の過激派対策当局は、先日シリア国内から一掃されたIS勢力がCIS(独立国家共同体)域内に進出するする恐れがあると発表した。

当局のコメントでは、「IS戦闘員は世界に『スリーパー・セル(潜伏工作員)』のネットワークを構成しようとしており、世界のいたるところでテロ攻撃を実施することができるようになると見積もられる。シリアとイラクイスラム帝国を建設する目論見は頓挫したが、彼らはカザフスタンウズベキスタンタジキスタンキルギスタンアルメニアにおける活動を活発化している。」
としており、特にCIS諸国と国境を接するアフガニスタン北部において、タリバンとISの勢力が強大になっている点を強調した。

「これらの兆候は非常に危険であると認識している。CIS諸国からは数千人がISに加入し、シリア、イラクアフガニスタンで戦闘に参加しているからだ。我々はこの点を重視しつつ、SCO(上海協力機構)やCIS諸国との連携を強化していく。」

アフガニスタンで戦死の2名はグリンベレー隊員とEOD(爆弾処理班)隊員と判明

f:id:mil-info:20190330001801j:plain
国防総省は、アフガニスタン北部で戦死した2名の身元について発表した。

死亡したのはオハイオ州ランカスター出身で29歳のジョセフ・P・コレット特技兵とコロラド州コルテス出身で33歳のウィル・D・リンゼイ1等軍曹。2名はクンドゥーズ州において戦闘中に負傷した怪我が悪化したため死亡した。戦闘の詳細については発表されておらず、当局は「調査中」としている。

コレット特技兵はコロラド州フォート・カーソンの第71爆発物処理(EOD)群第242武器大隊の所属。発表によるとコレット特技兵は2010年に陸軍入隊、2012年から爆発物処理特技者として同部隊に配属されていた。アフガニスタンへは昨年12月から派遣されており、パープル・ハート(名誉負傷章)を受章していた。

リンゼイ1等軍曹は同じくフォート・カーソンの第10特殊部隊群(空挺)第2大隊所属。2004年に特殊部隊員となり、2006年から現在の部隊に配属され、これまでにイラクへ5回と対麻薬作戦の支援のためタジキスタンへ1回派遣されており、ブロンズ・スター(青銅星勲章)5個とパープル・ハートを受章。自由降下ジャンプマスター章及びマスター・パラシューティスト章を保持する特技者でもあった。

今年はアフガニスタン戦争開始から18年が経過し、「不朽の自由作戦」の戦闘任務が終了してすでに4年となるが、アフガニスタンにおける戦闘で死亡したアメリカ軍人はコレット特技兵とリンゼイ1等軍曹の戦死により、合計4名となった。

米議会、国防総省に報告書の提出を強く要求 ニジェールでのグリンベレー戦死で

f:id:mil-info:20190327211428j:plain
パトリック・シャナハン米国防長官代理は火曜日、議会において2017年10月にアフリカのニジェールでグリンベレー隊員が伏撃に遭い戦死した事件について質問を受けた。

同事件についての最終的な報告書は、提出が繰り返し延期されており、このまま国防総省が事実を明らかにしない場合、議会は報告書を強制的に提出させる措置をとる構えだ。

事件から1年以上が経過した今、責任の所在を明らかにすることが議論の中心となっている。軍はグリンベレー隊員2名を含む4名の米軍人が死亡した責任を現場の将校たちに押し付けようとしているからだ。

マティス前国防長官に提出された事件についての報告書では、事件の原因が現場の将校たちの失態である可能性が高い、とされていた。
一方シャナハン国防長官代理は議会の国防委員会において、同長官代理にも同じ報告がなされたが、それは十分に整理されたものではなかったとし、

「報告書は私も読んだが、現場の責任とするだけの説得力はなかった。私が再度調査させたところでは、現場の指揮官からトップの司令官までの全員にいくらかの責任があると考えている。」

シャナハン長官代理は次の報告書を提出する時期については、「まもなく」と答えたのみで、明示を避けた。

海兵隊員で共和党議員のルーベン・ガリエーゴ議員は、ニジェール伏撃事件についての真相究明にあたっている議員だ。

「われわれは現場の下級将校だけに責任を押し付け、高級将校は事件について無罪放免にしようとしているように見えてならない。」と議員は述べた。

シャナハン長官代理は議員の見方を否定、高級将校の責任が表立って追及されていないのは、「調査が十分でないため」としている。

事件後に作成されたもう一つの報告書もまた、2018年の国防権限法を根拠に議会には提出されてない。ガリエーゴ議員の「報告書はいつ提出されるのか?」という質問に対し、シャナハン長官代理は確認した上で回答すると答えた。

議員は、「委員会はこの事件の真実を徹底的に究明する方針だ。ニジェールで何が起こったのか、そこから得られた教訓は何か、明らかにしなければならない。委員会はできるだけ強制力を行使しないようにしてきたが、報告書が提出されない状況が続くなら、それも考えざるを得ない。」

と述べると共に、亡くなった兵士の家族や米国民、そして軍人としてのキャリアの危機にある下級将校たちには、ニジェールで何が起こったのか、事件を再び繰り返さないためにはどうしたら良いのか、ということを知る権利がある、と付け加えた。

米アフリカ軍(AFRICOM)司令官のトーマス・ワルトハウザー将軍は、ニジェール伏撃事件の反省に基づき、改善策がすでに取られていると説明する。

「我が軍では事件の反省から、戦術的な合理性を踏まえた作戦と手続きを必要最小限の人員で行うようにしている。」
さらに将軍は、戦死者や負傷者の後送手順、各種の調整、航空支援、空からの情報収集・監視・偵察などを改善したとし、「そしてこれらの情報を大隊レベルに与えるようにしている。」という。

国防総省もまた、「127エコー
プログラム」を拡大するようAFRICOMに求めている。これはアフリカ諸国の現地軍部隊を米軍の「代理部隊」として使い、襲撃などの直接行動や偵察作戦を実施させようという秘密の計画だ。

ただ、この計画は従来の作戦のようにアフリカの現地軍をアメリカの特殊部隊が支援する、というものとは異なる。「127エコー・プログラム」は実際の戦闘行動は現地の部隊に任せ、米軍は作戦の統制に専念する、というものだからだ。

統合参謀本部で同プログラムを担当するヘッカー少将は「127エコー・プログラム」について、

「127エコーは、米軍が戦闘に加わらないことが特徴だ。従って大部隊が展開する必要もない。現地の軍が主役となって問題解決に当たる環境を整えるのがこの計画なのだ。」と説明している。

勇名を馳せる米陸軍レンジャー大隊 1900名のテロリストを殺害・拘束

f:id:mil-info:20190324001016j:plain
第1レンジャー大隊は、近年の作戦で198回の戦闘任務に従事、1900名のテロリストを殺害または拘束した。

この功績により、14人のレンジャー隊員が武勇勲章(Valor Awards)が授与され、今月の初めジョージア州ハンター陸軍飛行場において、統合特殊作戦コマンド副司令官のマーク・シュワルツ少将による勲章授与式が執り行われた。

少将は、「諸君のような戦士たちと一緒に働けることは私の誇りだ。」と祝辞を贈った。

第1レンジャー大隊はアメリカの対テロ戦争において22の作戦に参加している。この間、198回の戦闘任務に従事、1900名のテロリストを殺害又は拘束した。

フィリップ・パケット曹長はシルバー・スター勲章を授与された。曹長は17年間の軍歴を第75レンジャー連隊一筋に勤務し、アフガニスタンでは統合任務部隊の指揮に当たった。
フィリップ曹長の受章は、
「2018年4月25日の戦闘において、身の危険を顧みず敵火に身を晒して制圧射撃を実施し、また緊迫限界を超える航空支援を要求することにより、敵を制圧して味方の負傷者を回収した功績」によるもの。
フィリップ曹長の勇敢な行動により、部隊は無事ヘリコプターで離脱することができたという。

フィリップ曹長は、
「この勲章は自分だけのものではなく、仲間と一緒に受章したものです。」
「我々は決して仲間を置き去りにはしない。我々はタンカラーのベレーを被り、レンジャーのパッチを装着した隊員に対してなすべきことを行っただけです。レンジャー隊員であるということは、生涯の仲間であるということですから。」
と話した。

シュワルツ少将からはブロンズ・スター勲章8個が授与された。そのうちの2個はニコラス・ボルクペレス2等軍曹に渡され、ニコラス2等軍曹は1個のブロンズ・スター勲章を8歳の少女、シャノン・セレスに手渡した。彼女は戦死したクリストファー・セレス1等軍曹の愛娘だ。

セレス1等軍曹は2018年7月12日パクチヤ県において戦死した。所属は第75レンジャー連隊第1大隊D中隊。32歳であった。

セレス1等軍曹を知る当時の連隊長ブランドン大佐は、
「セレス1等軍曹の死は第75レンジャー連隊にとって計り知れない損失です。彼とその家族は我々チームと地域コミュニティにとってかけがえのないものでした。」
「セレス1等軍曹はいかなる逆境にあってもくじけず、熱い情熱と優れた識能をもってレンジャー隊員を導いてくれました。国の宝です。誠に残念でなりません。」
と弔辞を述べた。

その他には5名のレンジャー隊員が統合任務部隊武勇章を、3名がパープル・ハート勲章を授与されている。