シュアファイア社 特殊作戦オペレーター向け最新ウェポン・ライト
シュアファイア社は今年のショット・ショー2019において、特殊作戦に従事するオペレーター向けのウェポン・ライト/レーザー・デバイスを発表した。
新製品はモデル名を「XVL2ピストル&カービン ライト/レーザー・モデュール・システム」といい、ホワイト・ライト、赤外線イルミネーター、緑色の可視光レーザー及び赤外線レーザーを照射することができる。
担当者は「この製品はある特殊作戦オペレーターのために5年をかけて開発した自信作です。非常に小さなパッケージにたくさんの機能を詰め込んでいます。」と説明している。
XVL2の電源はCR123A電池で、最大持続時間は1.5時間。ホワイト・ライトの輝度は400ルーメン、赤外線イルミネーターは300ミリワット。
H&K社「米海兵隊員は単細胞」と投稿 フェイスブック炎上
H&K(ヘッケラー&コッホ)社は何千丁ものM27歩兵自動銃を米海兵隊向けに生産、納入しているが、海兵隊には少し思うところがあるようだ。
H&K社の米国法人は2018年の4月、海兵隊に15000丁のM27を納入する契約を結んだ。M27歩兵自動銃は、これまでにごく少数がテストされ、M249SAW(分隊支援火器)及びM4カービンに代わる制式銃として広く海兵隊に採用されることになっている。
M27は命中精度の高い銃として、海兵隊での評価は高い。しかし、海兵隊とH&K社の関係は相思相愛とはいっていないのかも知れない。火曜日のH&K社のフェイスブックにはこんな投稿が掲載されていた。
「できたてほやほやのM27歩兵自動銃がジョージアから海兵隊員たちの元へ届けられます。」というタイトルで梱包された銃の画像が掲載されているところに、
「単細胞な海兵隊員(Crayon Eaters)さんにお願いです。どうかこの銃を大事に扱ってください。乱暴に扱っても大丈夫”Marine Proof”(海兵隊仕様)なように作ってはいますけどね。」
という文が添えられていたのだった。
この投稿は一気に拡散、1日で19000回シェ
アされ、26000のコメントが寄せられた。この記事を投稿したハンドルネーム”Social Media Girl”はたくさんのコメントに対して、逐一返信をしているが、これも皮肉が効いている。
「参考までに、決して海兵隊員をバカにしたわけではありません。文章を読むことができても戦いに勝てるわけではないですし。」
「体はタフだが、おつむは単細胞」という海兵隊のステレオタイプなイメージを取り上げてコメントする者もいる;
「元海兵隊員だが、銃の写真しかみてないよ。だって文章読んでもわからないから。」
H&K社の「皮肉好きな」投稿者はこのコメントに素早く返信して;
「私達が海兵隊向けに作成したM27のトレーニング・マニュアルには、6文字以上の単語は使わないようにしたけれど、それでも海兵隊から『図や絵が足りない』と言われた。仕方なく作り直したが、その結果文章はなくなり、代わりに絵ばかりに…」
と返している。
H&K社のフェイスブックが炎上すると、”Social Media GIrl”は「海兵隊をディスる人たちの中に巻き込まれてしまうのは困ります。」と、これも皮肉混じりに不安を表していた。
だが「彼女」によると、これに対して H&K社の上司は今のところ、彼女を支持してくれているという。ただし、上司からは「海兵隊の司令官が我々を呼びつけ、『おまえらのM27自動銃を何百丁とジェット機で引きずったり、ヘリコプターから投げ落としたり、戦車で轢いたりしてやったぞ。』と言わない限りだけども。」と言われたそうだ。
H&K社はこの件に関して、正式なコメントは出していない。
海兵隊もこの「からかい」に対しては気にも止めない態度を示している。「頼りになる銃で戦えるなら、何と言われようと気にしない。」といったところであろうか。
スマホ型デジタル・ライフル照準具が発表 ショット・ショー2019
アメリカ・ラスベガスで開催された武器の見本市「ショット・ショー2019」において、次世代型デジタル・ライフル照準具が発表された。イスラエルの会社が開発したもので、現在のハンティング・スコープよりも機能的で、スマホのように扱えるという。
同スコープはイスラエルのセンサイト(Sensight)社が開発した。ワイド・ビュースクリーンはタッチ操作が可能、ズームは1.3ー20xのいわば「スマート・スコープ」だ。
「非常に高機能で洗練されていながら、操作はスマホを扱うように簡単であるのが特徴です。」と担当者は言う。
スコープにはデュアル・カメラが搭載されており、iOSやAndroidのアプリを使って記録再生が可能。
ズームの操作は指でスワイプすることにより簡単に調整でき、射距離の設定やレチクルの選定もタッチ操作で簡単にできる。
「レチクルは色々なタイプを選択できます。レチクルの色も変えられます。」
「真っ暗闇の中でも、スコープの赤外線フィルターを外せば、赤外線を照らすことができ、照準することができます。」
バッテリー持続時間は8時間。外付けの電池パックを取り付ければさらに12時間使用可能。
この新型スコープの第1世代製品は、今年の3月〜4月に発売開始予定。価格は約1000ドルとなるという。同社ではさらに高機能な製品の開発を計画している。
「この第1世代製品は、高機能よりも使い易さに重点をおいたものだからです。」
使用可能なライフルは.308,.300Win.Mag,.338マグナム。
非常にハイテクなスコープだが、センサイト社は軍用としての販売は考えていないという。
「あくまでレクリエーション用として開発した製品です。このスコープでハンターやシューターが射撃を楽しんでくれることが私達の願いです。」
アメリカ軍新型装甲車JLTVは「問題あり」
米国防総省ペンタゴンの報告によると、米軍の新型装甲車両「JLTV(Joint Light Tactical Vehicle,統合軽戦術車両)」は、整備性、信頼性及び車外の状況把握に問題があり、特にJLTVの重装甲型の車両については「任務達成のための有効性が認められない。」と評価されていることがわかった。
JLTV(統合軽戦術車両)は高い防護力を備えながらも機動性の高い戦闘車両として、脆弱なハンビーに取って代わるものと期待されてきた。
JLTVはMRAPと同等の防護力を持ちながら、MRAPの3分の2の車体重量、路外機動速度は70%アップしている。
JLTVは今年1月の中旬にフォート・スチュアートの第3歩兵師団第1機甲旅団戦闘団に初めて配備された。
しかし、最近国防総省が発表した報告書によると、多くの不具合が記録されているという。報告書は陸海空3軍を網羅しているが、陸軍のセクションでは24項目について評価と改善意見が付されている。
JLTVは座席構成が2種類あり、用途によって多用途車、特定用途車、重火器用車両、近接戦闘用車両4つの車種がある。
装備計画では陸軍に49099両、海兵隊に9091両、空軍に80両が納入される予定。
報告では全車種が「信頼性、整備性、訓練、マニュアル、車外の状況把握、安全性に不備があり、作戦での運用適性に問題がある。」としている。
特に近接戦闘用車両については、「ハンビーと比較してTOWミサイルの操作性が劣っており、戦闘や戦術的な任務に使用しても、任務を達成するための有効性が認められない。」と評価されている。
その理由として、
「TOWミサイルの次弾装填操作に時間がかかる上に、操作がしにくい。」
「他のJLTVよりも荷室が狭く、任務に必要な装備を積載することができない。」
「車両周辺に死角が多く、視界も狭い。」
との報告がなされている。
「扉が開かないことが多々あり、兵士たちが安全に乗下車することができない。」
「内部が非常に複雑な上に、教育もまだ不十分、マニュアルも整備されていないため、部隊では整備することができず、専門の整備業者に頼らざるを得ない。」
他にもエンジンの配線トラブルやタイヤのパンク、ブレーキ・システムの不備など、信頼性に疑問符の付く問題が見つかっている。ハンビーよりもメンテナンスの手間がかかる代物になってしまっているのだ。
トレーラーの牽引にも問題があるという。
「トレーラーはJLTV本体ほどの走行性がないので、トレーラーを牽引すると格段に前進速度が落ちる。陸軍はJLTVに随伴できるトレーラーを開発することに関心がなかったようだ。」と報告されている。
報告書では、JLTVの開発計画をこうした問題点への対処を重点に進めるよう求めている。
戦場でもスマホで人事記録を閲覧 米陸軍のIPPS-Aアプリ
新しい陸軍のオンライン人事システムが、ベータ版での試験運用を経て、今月から運用開始された。
「陸軍統合給与・人事システム(IPPS-A)」アプリは金曜日に一部運用が開始され、ペンシルバニア州及びワシントン州の州軍で利用できる。
「普段からインターネットでアプリ・ストアに親しんでいる兵士たちは、組織がハイテク化することを歓迎しています。このアプリを使うことで、人事から示された個人目標を達成することが可能なのです。」とIPPS-Aアプリ担当者は話す。
このアプリでは兵士はアクセス・カードを使うことなく、自分の人事情報にアクセスすることができ、人事記録の更新も申請することができる。
指揮官や人事担当者は、CAC対応の認証を使用して部下隊員の人事記録を閲覧することができ、官給品のパソコンがない状況でも人事評価や申請の処理を行うことができる。
「このIPPS-Aアプリは、人事記録データの一括管理、モバイル対応、必要最小限の事務処理、対面しての事務作業の削減を実現することによって、陸軍の一番の財産である兵士のポテシャルを最大限に活かすことができ、ひいては陸軍の精強化につながるのです。」
アプリは今年中に全ての州軍で利用可能になる予定。