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米特殊部隊、アフリカでの軍事支援に変化

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司令部から250マイル離れた場所にいたニジェール軍部隊は、当初、戦闘の状況について司令部に報告することをためらっていた、、、。

米軍特殊部隊が今年アフリカで実施した演習「フリントロック2018」において、軍事顧問団のグリーンベレー隊員たちが狙いとしたのは、こうした消極的な行動を改めさせることだった。
第3特殊作戦グループのニール大尉は、「今回の訓練で、第一線部隊が司令部に状況をこまめに報告して初めて、上級部隊の指揮官が的確な判断をすることができる、ということを彼らに教えることができたと思う。この演習によってこうした報告と指揮命令のやりとりを活発にさせることができた。」と語る。
米軍特殊部隊は、2005年から西アフリカにおいてフリントロック演習を実施してきた。上級レベルの指揮統制能力の向上を目的として実施されたのは、今回が初めてのことだ。近年、この地域では中心都市から離れた地方において武装勢力が強大化し、地方に駐屯する政府軍部隊が苦戦している。



同演習の内容が小部隊の戦技や戦術の訓練から、上級部隊への助言に移行したことに伴い、ニジェールにおける米軍の作戦行動にも変化がみられる。
ニジェールの地方の村トンゴトンゴで起こった伏撃事件を契機として、アフリカで活動する米軍兵士の安全確保が注目されるようになった。
フリントロック演習を視察した在アフリカ特殊作戦コマンドのヒックス少将は、「昨年の秋から敵の勢力は拡大し続けており、トンゴトンゴの事件はその明らかな証拠だ。我々は状況の変化に柔軟に対応してきた。危険は軽減させていく。」という。
グリーンベレーたちは今もニジェール軍とのパトロールを継続しているが、パトロールへの参加許可には今まで以上の十分な検討が行われているという。
「だがパトロール任務を縮小させたわけではない。敵について知るためには、我々は必要なパトロールや情報活動をしっかりとやっていくつもりだ。」
昨年の事件の前から、特殊作戦コマンド内部では、地方の現地部隊が単独で対テロ作戦を実施できる能力を養成しなければならないという認識が広がっていたという。



そのためには、部隊の指揮統制能力を向上させなければならない。このフリントロック演習では、多国籍の部隊からなる統合司令部がアガデジに設置され、ニジェールブルキナファソセネガルの3箇所で実働演習を行っている1900名の部隊に対して作戦指導する訓練が実施された。司令部と実働部隊は空陸の作戦について調整を行ったり、情報活動を演練した。
最大の目的は、こうした訓練を通じて、サヘル地域の国で編成された連合軍の将兵アルカイダやISISのシンパを含む武装勢力と戦える態勢を整えることだ。
ニール大尉は、「我々の任務は、彼らが自分の国の安全を自分の力で守ることができるように支援することだ。」と語る。
第3特殊作戦グループのモーゼ大佐は、今年の演習は現地部隊が直面している実際の敵への対応により重点を置くようになっているとして、
「現実の脅威を想定して訓練するのが一番だ。この演習が終わって家に帰る頃には、全員がアフリカの同志たちのことを学ぶことができたと言えるように期待している。」
しかしながら、グリーンベレーたちはこれからもアフリカの同志たちと泥にまみれ、訓練指導を続けるつもりだという。彼らはそれこそが支援の肝だと信じている。
ヒックス少将は、「これからも第一線部隊の訓練の指導は継続する。第一線の部隊に戦える能力が整ってきたら、上級司令部の指揮統制能力の向上に重点を移していくつもりだ。」としている。