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米陸軍は次世代小銃を模索;海兵隊M27は採用せず

f:id:mil-info:20180209181734j:plain米陸軍の装備開発部門は水曜日、M4カービン及びM249分隊支援火器(SAW)に代わる次世代小火器の装備計画について議会に報告した。
陸軍経理局のジョン・マレー中将は、上院軍事委員会の陸軍近代化に関する小委員会で、陸軍近代化の概要について説明した。
議論の的となったのは、敵の新しいボディーアーマーが5.56mm弾では貫通しなくなっていることに対して陸軍はどのように対応するのかという点だ。
同委員会のコットン議員は、「我々のM4に使用されている5.56mmNATO弾を貫通させないロシア製や中国製のボディーアーマーが普及してきている。これに対していかに対応するかは、前線の兵士には非常に重大な問題だ」



昨年の5月、陸軍のマーク・ミレー大将は同委員会で証言し、敵のボディーアーマーはESAPIのような米軍正式採用品の防弾プレートと同等であり、米軍のM855A1弾では貫通できないことを認めた。
この証言をきっかけに歩兵部隊に7.62mmICSR(Inteerim Combat Service Rifle)を装備させようという話が出たが、進展はなかった。
現在のところは、まず第1段階として7.62mm分隊狙撃銃を取得するところから始めて、2段階式での解決を図っているとマレー中将は言う。
「この銃は最新式のボディアーマーをも貫通させることができる。銃の取得を急ぎ、2018年から7.62mm分隊狙撃銃の運用を開始する予定だ」
陸軍は併せて7.62mm徹甲弾の装備化を望んでいるが、これは来年度以降になりそうだという。
しかし同大将によると「分隊狙撃銃は確かにボディアーマーを貫通するが、さらに長い射程を狙える次世代弾薬には適していない」という。
従って第2段階は「次世代の分隊小火器」の開発だ。
中将は「まずは5.56mm弾を使うM249分隊支援火器に代わる自動銃の開発だろう」と話すが、陸軍は海兵隊採用のM27歩兵自動銃を採用しないことを決定している。
「我々も海兵隊のM27を推薦したが、5.56mm弾ではボディアーマーを貫通できないということで断念した。陸軍は5.56mm弾以外の弾を使用する、ライフルかカービンのいずれかを開発するつもりだ。それが将来M4に取って代わることになるだろう。」
「それはおそらく7.62mm弾は使わない。おそらくテレスコープ弾かポリマー薬莢といった軽量化された弾薬を採用することになるだろう」
中将は、陸軍はすでにTextron System社が開発した試作銃を取得していることを認めた。
試作銃はTextron社の2種類の機関銃で、それぞれ5.56mmと7.62mmのテレスコープ弾を使用するものだ。
テレスコープ弾は陸軍の小火器軽量化技術プログラムから生まれたもので、陸軍は数十年に渡って莫大な投資を行ってきた。このプログラムを現在引き継いでいるのがTextron社だ。
中将は「まだまだ試作品は大きすぎるし、重すぎるのが現状だ」という。
「陸軍は最近、民間のアイデアを募るためにテレスコープ弾をtextron社に引き継いだ。試作品も納入を受けている」
「試作品は概ねM4と同じくらいの重量になっている。銃はM4より少し重いが、弾薬は少し軽くできている。だが、試作の弾薬は最新式のボディアーマーを貫通することができる。しかもそれはM4の有効最大射程よりも遠い射距離からだ。」
陸軍は次世代分隊小火器の運用を2025-26年と計画しているが、2022年または2023年には装備化が開始できるよう動きを早めている。