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2018年注目の紛争地域

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イラク及びシリアではイスラム国(IS)は一掃されたものの、2018年には未だ注目されていない他の地域に注目が集まる可能性がある。そこでもまた米国の支援または必要に応じて米軍のプレゼンスが求められるだろう。


「フィリピン」

ISISはフィリピンに勢力を維持しており、約3ヶ月前からミンダナオ島の都市部を支配していた。米国の援助を受けた現地部隊が奪回したものの、部隊が受けた損害は大きかった。この地域は先住民のイスラム教徒と北部のキリスト教徒の間の対立が根深く、ISISに共鳴する者が多い。米国防総省は最近、フィリピンにおける支援作戦の名前を「不朽の自由作戦」から「パシフィック・イーグル」に変更し、この地域における対テロ戦争を重視している。現在フィリピンには海兵隊を主とする約100名の米軍部隊が駐屯している。

 

「エジプト」

エジプトのシナイ半島では2年前からISISと治安部隊の戦闘が続いているが、特に昨年の戦闘は熾烈を極めた。11月26日にはISISの戦闘員がモスクを攻撃し300人以上の犠牲者が出た。しかしこの攻撃は戦略的にはISISにとって失敗となるかもしれない。なぜならこの攻撃に反発して周辺のベドウィン族が治安部隊に協力することを約束したからだ。それでもISISはこの地域に強い影響力を持っているし、アルカイダのシンパも活動している。米中央軍は情報活動や作戦指導のための部隊をエジプトには展開させていないが、エジプトは「ブライト・スター」演習のような大規模な共同訓練を米軍と実施している。

 

ジョージア

旧ソ連の衛星国であったジョージアは、10年以上前からNATOに加盟することに関心を示し続けている。これに対しロシアはジョージアアブハジア地方及び南オセチア地方を分離独立させ、ジョージアNATOに加盟しないよう圧力をかけている。

ロシアは2008年の夏に南オセチアへ戦車部隊を侵攻させ、ジョージア軍と戦闘になっている。戦闘は一週間ほどで収束したが、同地方は未だ一触即発の状態にある。米国政府は最近、ジョージアに対してジャベリン対戦車ミサイルを譲渡することを承認した。

現在ジョージアには約30名程度の米海兵隊員が駐屯し、NATOアフガニスタン支援部隊とともにアフガンに派遣される予定のジョージア軍部隊の教育訓練に当たっている。米軍はジョージア軍との共同訓練も行っており、2017年には「ノーブル・パートナー」及び「アジール・スピリット」演習を行った。

 

「メキシコ」

英国の有力なシンクタンクである国際戦略研究所(IISS)の報告書によると、メキシコはシリアに次いで最も凄惨な紛争が起こっている国だという。アメリカの隣国であるメキシコはギャングによる暴力犯罪や麻薬テロに悩まされている。これに対してアメリカ政府はメキシコの治安部隊に対してごく小規模な教育訓練や装備品援助のプログラムを実施し、国際犯罪に対する戦いを支援している。しかし米国防総省ペンタゴンによると、これらの支援は長年慣例的に行ってきたものであり、派遣しているアメリカ人顧問にはメキシコにおいて一切の権限を持たず、彼らがメキシコ国内において作戦を行うことはないという。装備品の援助についても多くがFMS調達(有償援助)で行われている。近年では機動力の向上を目的としてヘリコプターやハンビーなどを大量に取得した。2014年にはハンビー3000両、少数のUH-60ブラックホーク及びC-130J輸送機2機の譲渡をアメリカ政府が承認している。