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ソマリアの戦闘で米兵死亡、4人負傷

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米軍当局によると、アフリカのソマリアで金曜日戦闘があり、米特殊部隊員1名が死亡、米兵4名が負傷した。アフリカにおいて米軍の兵士が戦死したのは、昨年10月にニジェールで4名が待ち伏せ攻撃に遭い戦死して以来。
米アフリカ軍司令部によると、現地時間の金曜日午後2時45分頃、ソマリアのジュバでアメリカ、ソマリアケニアの軍部隊が迫撃砲および銃による攻撃を受けた。
3カ国の共同部隊は現地の武装組織アル・シャハブに対する掃討作戦の最中であった。負傷した4名のうち3名は後送されたが、1名は現地で手当を受けている。
この攻撃についてアル・シャハブは同組織が行ったことを認めているという。
トランプ米大統領は金曜日の夜、ツイッター遺憾の意を表明した。
「私の想いと祈りはソマリアで戦死及び負傷した我々の兵士達のご家族と共にある。彼らは真の英雄だ。」



アメリカは約1000名の特殊部隊員をアフリカに配置している。ソマリアでは昨年5月にも米兵が戦死した。
トランプ大統領は2017年の初めからアル・シャハブを撃退するために軍事作戦の強化を認めている。このため作戦には500名以上の人員が投入され、大量のドローン攻撃が行われている。
アルカイダ系のアル・シャハブソマリアイスラム原理主義の国家を建設することを掲げている。数年前に首都モガディシオからは駆逐されたが、中部から南部にかけての地方では影響力を維持している。
昨年後半から米軍はソマリア北部においてイスラム国(ISIS)系の戦闘員に対するドローン攻撃を開始した。
ソマリア当局は今回の米軍とソマリア軍との共同作戦において、少なくとも1名の民間人が死亡したという。これに対して米アフリカ軍司令部はコメントを発表し、「詳細に調査した結果、そのような疑惑の証拠は見つからず、信憑性がない。」としている。



ニジェールでの伏撃事件以来、ワシントンでは米軍のアフリカ介入に対して疑問の声が上がっているが、一方でトランプ政権はアルカイダ及びイスラム国系のテロ組織を叩くことに躍起だ。
ニジェールの事件について米国防総省ペンタゴンが調査した内容が一部公表された。それによると、いくつかの不手際が明らかになったが、事件に直接結びつくような原因は見つからなかったという。
この調査の結果はすでに対策に反映されており、作戦チームには状況に応じて重武装の車両を使用する権限やより強力な火力支援を可能とする権限を与えられるなど、アフリカにおける米軍の作戦行動は改善されている。

タリバンが停戦を宣言 ラマダン期間では初

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アフガニスタンタリバン勢力がラマダン(断食月)の休日に合わせて3日間の停戦をすると宣言した。タリバンがこの時期に停戦を行うのは初めて。
タリバンが土曜日に発表した声明文によると、停戦しても自衛のための行動は行うとし、また外国軍隊は停戦の対象でないとして、戦闘を継続するという。
さらに声明では、タリバン指導部は二度と戦場に戻らないことを約束することを条件に捕虜を解放することを検討していると述べている。アフガニスタンのガニ大統領も木曜日、同時期に1週間の停戦をすると発表した。
大統領府から発表された文書によると、アフガン政府は今月12日から停戦を開始し、19日に終了する。この停戦はアルカイダイスラム国には適用しないとしている。



文書が発表された背景には、先週開かれたイスラム教聖職者の会合がある。会合では自爆攻撃を非難し、和平交渉を求めることが決議されたが、会議場の外では7名が死亡した自爆テロが発生し、イスラム国が犯行声明を出していたからだ。
タリバンは今回の会合を非難し、自らの戦いこそが「ジハード」であり、正しい戦いであるとし、聖職者たちは国が外国軍隊に「占領」されていることを忘れている、と主張している。
NATOは2003年からアフガニスタンでの治安任務を主導してきた。戦闘任務は2014年に終了したが、40カ国から16000名の部隊が果敢に任務を遂行してきた。
戦況はここ数年間膠着状態であり、NATOの部隊がアフガンを離れることができる最大のチャンスが、タリバンが和平交渉に応じ、アフガン政府の一員となるタイミングだ。このためトランプ政権は派遣部隊を増派し、事態を進展させようとしている。
金曜日、米高官はアフガン政府とタリバンが停戦している間に、イスラム国の勢力に対して攻勢を仕掛ける意思を明らかにした。



ジム・マティス国防長官は、一例としてタリバンに向けていた航空偵察任務をイスラム国の武装勢力アルカイダに振り分けることになると語った。
一方でタリバンの攻撃は続いている。
タリバンが停戦を表明する数時間前、西部のゼワイ地区では軍の検問所が襲撃され兵士17名が殺害されている。タリバン側も8名が死亡、10数名が負傷した。
また北部のクンドウズ地方では警察官13名が殺害されている。

米陸軍に戦闘服の染め直しを要望

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米議会は陸軍に対し、従来使用していたACU迷彩の戦闘服や装備品を新しい迷彩色に染め直すよう求めた。
米下院軍事委員会の即応態勢に関する小委員会は提出した法案において、ACU迷彩が時代遅れであることを指摘し、陸軍のACU迷彩の戦闘服や装備品を染め直す技術に関心を示した。
米陸軍は試行錯誤の結果、それまでのACU迷彩に替わる迷彩パターン(OCP)を2014年に採用している。



新しいOCP迷彩は2019年10月までに更新を完了する計画であるが、法案によると陸軍の倉庫には「時代遅れのACU迷彩装備品が山積みになっている。」
陸軍では現在、ACU迷彩の装備品を新しいOCP迷彩に染め直して経費節減を図る方法を検討中であるという。
同小委員会は「良い方法が見つかれば、装備品を有効利用し、経費節減につながる」とし、陸軍長官に対して2018年8月までに検討の成果及び費用対効果を報告するよう求めている。
陸軍の新しい迷彩パターンであるOCP(Operational Camoflage Pattern)は、2010年に陸軍がアフガニスタンに展開する将兵に着用させたマルチカム迷彩を元に開発された。



当時のアフガンではACU迷彩の効果に対して現地将兵から不満が続出したため、急遽陸軍が採用したものだ。
陸軍はその後ACUに替わる制式の迷彩パターンの検討に着手したが、テストの結果あらゆる状況下においてACUよりもマルチカム迷彩の有効性が証明されている。

在韓米軍撤収も視野に 南北和平交渉で 

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マティス米国防長官は金曜日、北朝鮮と韓国の和平交渉が確実なものであれば、「在韓米軍部隊の撤収を検討することもありうる」と発言した。
「あくまでも議題の一つになり得るとういうことだ。北朝鮮はもちろんだが、何よりも同盟各国との話し合いが必要になる。」との慎重な考えも付け加えた。
現在のところ、28000名の在韓米軍を撤収させる考えはないという。
「今は和平交渉の成り行きを見守るだけだ。交渉に対して期待や予想などの先入観を持たずに見守っている。今は」外交の出番だ。」



米国防長官が朝鮮半島からの部隊撤収を考慮するようになるなどということは、つい数週間前には考えもつかなかったことだ。しかし、北朝鮮金正恩委員長が核で恫喝する独裁者から和平を追求する柔軟姿勢へと態度を大きく転換したことによって、外交と軍事が両輪となってきた米国の姿勢も変化しているようだ。

同長官は、「しっかりとした尺度が必要だ。それを疎かにしたまま交渉を進めてはならない。」
「未来を予言することはできないが、1950年の朝鮮戦争以来初めての和平の機会になると期待している。」とした。



金曜日、北朝鮮金正恩委員長がにこやかに非武装地帯を超え、文在寅韓国大統領と挨拶を交わした。和平ムードの中、朝鮮半島の非核化を謳った板門店宣言が調印された。韓国を介して米朝首脳会談も調整が進んでいる。一方で米国政府は朝鮮半島有事に備えた在留米国人の脱出訓練を先週行ったばかりだ。
トランプ大統領は、「過去の政権が犯した失敗は繰り返さない。完全な非核化が実現するまで、最大限の圧力をかけ続ける」と発言している。

米特殊部隊、アフリカでの軍事支援に変化

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司令部から250マイル離れた場所にいたニジェール軍部隊は、当初、戦闘の状況について司令部に報告することをためらっていた、、、。

米軍特殊部隊が今年アフリカで実施した演習「フリントロック2018」において、軍事顧問団のグリーンベレー隊員たちが狙いとしたのは、こうした消極的な行動を改めさせることだった。
第3特殊作戦グループのニール大尉は、「今回の訓練で、第一線部隊が司令部に状況をこまめに報告して初めて、上級部隊の指揮官が的確な判断をすることができる、ということを彼らに教えることができたと思う。この演習によってこうした報告と指揮命令のやりとりを活発にさせることができた。」と語る。
米軍特殊部隊は、2005年から西アフリカにおいてフリントロック演習を実施してきた。上級レベルの指揮統制能力の向上を目的として実施されたのは、今回が初めてのことだ。近年、この地域では中心都市から離れた地方において武装勢力が強大化し、地方に駐屯する政府軍部隊が苦戦している。



同演習の内容が小部隊の戦技や戦術の訓練から、上級部隊への助言に移行したことに伴い、ニジェールにおける米軍の作戦行動にも変化がみられる。
ニジェールの地方の村トンゴトンゴで起こった伏撃事件を契機として、アフリカで活動する米軍兵士の安全確保が注目されるようになった。
フリントロック演習を視察した在アフリカ特殊作戦コマンドのヒックス少将は、「昨年の秋から敵の勢力は拡大し続けており、トンゴトンゴの事件はその明らかな証拠だ。我々は状況の変化に柔軟に対応してきた。危険は軽減させていく。」という。
グリーンベレーたちは今もニジェール軍とのパトロールを継続しているが、パトロールへの参加許可には今まで以上の十分な検討が行われているという。
「だがパトロール任務を縮小させたわけではない。敵について知るためには、我々は必要なパトロールや情報活動をしっかりとやっていくつもりだ。」
昨年の事件の前から、特殊作戦コマンド内部では、地方の現地部隊が単独で対テロ作戦を実施できる能力を養成しなければならないという認識が広がっていたという。



そのためには、部隊の指揮統制能力を向上させなければならない。このフリントロック演習では、多国籍の部隊からなる統合司令部がアガデジに設置され、ニジェールブルキナファソセネガルの3箇所で実働演習を行っている1900名の部隊に対して作戦指導する訓練が実施された。司令部と実働部隊は空陸の作戦について調整を行ったり、情報活動を演練した。
最大の目的は、こうした訓練を通じて、サヘル地域の国で編成された連合軍の将兵アルカイダやISISのシンパを含む武装勢力と戦える態勢を整えることだ。
ニール大尉は、「我々の任務は、彼らが自分の国の安全を自分の力で守ることができるように支援することだ。」と語る。
第3特殊作戦グループのモーゼ大佐は、今年の演習は現地部隊が直面している実際の敵への対応により重点を置くようになっているとして、
「現実の脅威を想定して訓練するのが一番だ。この演習が終わって家に帰る頃には、全員がアフリカの同志たちのことを学ぶことができたと言えるように期待している。」
しかしながら、グリーンベレーたちはこれからもアフリカの同志たちと泥にまみれ、訓練指導を続けるつもりだという。彼らはそれこそが支援の肝だと信じている。
ヒックス少将は、「これからも第一線部隊の訓練の指導は継続する。第一線の部隊に戦える能力が整ってきたら、上級司令部の指揮統制能力の向上に重点を移していくつもりだ。」としている。

米海兵隊が陸軍と新小銃弾を共同開発へ

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海兵隊は、陸軍と共同で現用の5.56mm弾に替わる小銃弾の開発に当たる方針を決定した。
数カ月前から陸軍は現用の5.56mm弾の威力不足を議会に対して訴えていた。防弾プレートの性能が向上したため、現在使用されている5.56mmEPR弾では米軍が採用しているESAPI防弾プレートと同等の敵の防弾プレートを貫通することができないという。
これに対処するため、陸軍は現用のM249SAW分隊支援火器及びM4小銃の代替として、6.5mmテレスコープ弾等の5.56mmと7.62mmの中間の威力を持った弾薬を使用する武器のテストを実施している。
これに対して海兵隊は、最近も従来の5.56mm弾を使用するM27小銃の追加取得を決めたばかりであり、陸軍のこうした動きには関心を示してこなかった。



海兵隊システム・コマンドのシュレーダー准将は、「海兵隊は陸軍とともに開発にあたる。既に陸軍と特殊作戦コマンドも一緒に6.5mmクリードモア弾のテストに入っている。」と語った。
同准将は海兵隊が陸軍と新弾薬をテストすることは認めたものの、これが直ちに新小銃の採用を意味するものではないと述べた。
陸軍はすでに新弾薬を見据えたTxtron Systems社製の新小銃の試作に入っていることを議会に報告している。
同社は5.56mm及び7.62mmのテレスコープ弾を使用する軽機関銃や中型機関銃を製造しており、試作銃はこれをもとに6.5mm仕様にしたもの。
陸軍ではこの新世代の分隊火器を2025年から2026年の間に完成させる計画であったが、開発を加速させて2022年から2023年までには開発の目処をつける方針である。

シリア 米海軍とB-1が3個目標を完全に破壊

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米軍当局が発表したところによると、金曜夜のシリアへの攻撃で、アメリカ、フランス、イギリスの各国軍はシリアの化学兵器関連目標3ヶ所に対して攻撃を行った。これは4月7日にシリア政府軍が反政府勢力に対して化学兵器を使用したことへの報復として実施したもの。
米軍からは海軍の巡洋艦1隻、駆逐艦2隻、バージニア級潜水艦1隻が攻撃を実施、B-1ランサー爆撃機2機も爆撃を行った。
攻撃はシリアの現地時間午前4時頃に行われた。当局によると、攻撃目標の化学兵器関連施設3箇所は完全に破壊され、「シリアの化学戦遂行力を大幅に削ぐことができた」という。
米統合参謀本部事務局長のマッケンジー海兵隊中将は国防総省ペンタゴンにおいて質問に答え、今回の攻撃目標となった3箇所は、ダマスカス近郊のバルザ研究開発センターと、ホムスの西にあるヒム・シンサル化学兵器貯蔵施設及びヒム・シンサル要塞であると明かした。



バルザの施設にはトマホーク巡航ミサイル57発及びステルス長距離巡航ミサイルAGM-158JASSM-ER19発が発射された。またヒム・シンサルの貯蔵施設にはトマホーク9発、イギリス軍のストーム・シャドー・ミサイル8発、フランス海軍の巡航ミサイル5発が発射された。3つ目の目標であるヒム・シンサル要塞にはフランス軍のSCALPミサイル7発が発射された。
AGM-158JASSM-ERミサイルは、ステルス性能を持ち、レーダーに探知されにくく生存性の高い長距離巡航ミサイル。最新のER型は航続距離が大幅に延長され、有効射程は900km以上とされる。